水中にだってメタバースはあります!って王朝和歌のある種のパターン。
名唱の誉れも高い紀貫之作ですが、鎌倉末期の玉葉集まで勅撰集に採用されなかったのはまことに不思議。
篝火の影しうつれば
ぬばたまの夜河の底は
水も燃えけり
残念ながらこれといった対戦相手を探しきれなかったから、季節柄秋部の「紅葉る風景」にします。
紅葉(もみじ)ならば、樹木の普通名詞ですが、紅葉(こうよう)だと落葉広葉樹の落葉前の赤変のこと。もみじに限ったことではない。
また、用例としては稀になったが「もみじる」という動詞表現もあります。
影をだに見せず
紅葉は散りにけり
水底にさえ 波風は吹く(躬恒)
もみじ葉の 流れてとまる
湊には紅深き波や立つらん(古今 素性)
甲乙つけ難く、、、持としますが、勅撰集に選ばれた方が多少うえかも.......
なお古今和歌集には、素性のこの和歌のすぐ後に業平の
.....竜田川 唐紅に水くくるとは
が、、、、百人一首に採用されたから知名度が高いだけで、落語や漫才のネタになるのも宜なるかな
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