2020年12月5日土曜日

カポーティ

 


しばらく前の惰日記の連想...フィツジェラルドの事を調べ出した。

まずもって、F・スコット・フィツジェラルドって珍しいよね。ミドルネームをアルファベット表示はままあるが、ファーストネームがアルファベット表示。

実は、ペンネームがそうなっているらしい...とかなんとかどうでもいいことが判明したが、それで終わり。

しかし、彼の「グレートギャツビー」なる小説は、二十世紀の英語で書かれた最高作品の第二位!

このランキングリストは、金メダルと銅メダルがジェームズ・ジョイスの作品ですから、それなりの批評家が選んでいるらしい

とにもかくにも、アメリカ文学史なんてはっきり言うと不毛なんですよ。民族の共同幻想的な「神話の世界」を持ち得ない民族です。建国神話は無いではないが、黒歴史で今や誇らしげに語る事を憚る。

あえて言うと、ミシシッピ川の長閑な風景を背景としたハックルベリーフィンの物語くらいかなあ?


しかし、文学史は貧弱でも、文学史にプロットされるエキセントリックな作家群は豊穣である。

文士になるくらいなら893の方がマシ...と言われた時代があったが、倭国の場合破滅型文士ってカテゴリーはあるが、あまりドラマティックじゃない。映画なんかのセンターをはれるのは太宰治....と三島由紀夫?

翻ってハリウッドを彩る作家群

結構な数があるのです....思いつくままに

ポー

ラヴクラフト

サリンジャー

フィシュジェラルド

そして、、、トルーマンカポーティ



2020年12月4日金曜日

トウキディデスの罠

 


けふの名題は、なんとも文学的修辞ですが、れっきとした社会科学系の学術用語です。

史学、政治学、国際関係論なんかでは当たり前的な概念で言わば「漢検五級」クラス。昨今は引用される執筆者も沢山おられますが、かの名著を本当に読んだのか、名著からこの修辞を導き出したアリソン博士の論文を精読したのかは定かではない。

なかには、トウキディデスがこう言った!なんてしたり顔で書いてますから実に噴飯物。

彼はこう書いただけ(原文はギリシャ語)

It was the rise of Athens, and the fear that this inspired in Sparta, that made war inevitable.

恐れを「罠」と表現するのが妥当かどうかはアタシには判らない。

要するに、軍事大国であるスパルタは陸軍力で覇権を確立していたが、台頭するアテネとの摩擦や軋轢がペロポネソス戦争を招聘したがように...

覇権国家の君臨は世界(地域)に安定と平和(正義か不義かは別にして)をもたらし、やがて新しい勢力が台頭し、覇権争いが始まり..,

多くは戦争により事態は収束するって、、まあ当たり前チックな歴史法則です。

当たり前ですから大抵は忘れているが、新興勢力が勃興すると俄かに騒がしくなる。


アメリカンの凋落と中共の台頭


黴澱だろうが怒鳴る度だろうが、はやく狗も喰わない泥試合なんかを辞めて、この歴史の転換点の処し方を考えるべきだ。

アリソン博士は、派遣戦争の回避の政策は三つだと言う。

1)共存

2)同盟

3)撤退

一項はあり得ない。経済的依存性の高まりが抑止力になり価値観の共有につながる...なんてことは稀有の例で日米関係くらいなもの。国際社会の一員へのさまざまサポートは爆発的な経済発展をとげたが、そのハードパワーが軍事力に転換しなかったのはけだし憲法九条の縛り。他方中共は経済発展の果実を軍事大国化の原資にしたようなもの。いまさら共存なんて幻想にも等しい。

二項は様々な外交的駆け引きのさなかだから、なんとも言えないが、台頭する新しい覇権への「恐れ」はあるものの、一枚板になれるかどうかはわからない。コリアなんかとスクラムを組むといつ後ろから切り付けられるがわかったものではない。

16世紀のプレヴェサの海戦でベネツィアはスペインの裏切りで有史以来初めて海戦でオスマン帝国に敗退し海運立国の盛名は地に落ち凋落に拍車をかけたのです。

となれば、第三の道しかないのですかねえ

アメリカンの国益にとって東アジアがどの程度のものかは....多分ヨーロッパの方が大事だし、南北大陸はさらなり。グァムかハワイまでディフェンスラインを下げるのは勝手だが、アタシらはどうなるんだろう。

何もしないと、先は明白。

チベットかウィグルか内モンゴルみたいになるんですよ。しかし、マキャヴェリは書いています。

不義な平和と正義の争乱、どちらの方がマシかと言えば.......   アレレ、どっちだったかなあ?





2020年12月3日木曜日

ハイソ・ザ・カポーティ

 



先日の惰日記の連想からフィツジェラルドの事を調べ出した。

まずもって「F・スコット・フィツジェラルド」って珍しいよね。ミドルネームをアルファベット表示はままあるが、ファーストネームがアルファベット表示。

実は、ペンネームがそうなっているらしい...とかなんとかどうでもいいことが判明したが、それで終わり。

あとは、彼はプリンストンの出身で、実際に生原稿を大事に保管している...が盗難の事実はない。

彼の「グレートギャツビー」なる小説は、二十世紀の英語で書かれた最高作品リストの第二位!

このランキングリストは、金メダルと銅メダルがジェームズ・ジョイスの作品ですから、それなりの批評家が選んでいるらしい

かと言っても英文学界でアメリカ文学なんて不毛なんですよ。民族の共同幻想的な「神話の世界」を持ち得ないし、建国神話は無いではないが、黒歴史で今や誇らしげに語る事を憚る。

あえて言うと、ミシシッピ川の長閑な風景を背景としたハックルベリーフィンの物語くらいなもの。国民としての長い歴史がない事はやはり成果物にも影響する。

しかし、文学は貧弱でも、文学史にプロットされるエキセントリックな作家群は豊穣である。

つまり映像化むき。


トルーマンカポーティは、大学はおろかハイスクールに通ったかどうかも怪しげな不幸な生い立ちながら、神は早熟の天分を与えた。二十台前半で早くも天才作家と言われ、稀代の衝撃作「冷血」は....けだし  四十而不惑。

しかし、後年は作家よりもハイソの寵児...と言うお騒がせ者

最後の発表作品は「叶えられた祈り」の第三章

なんともスキャンダラスな内容で、NYの社交界から追放、交際していたセレブからは絶交。

失意(かどうかはしらないが、しばらくして逝去)

この遺作に関しては、フィシュジェラルドの生原稿よりもミステリアス。一般には未完あるいは執筆すらされていないと言われているが、密かに貸金庫に保管されていると信じる向きもある。フィシュジェラルドの生原稿ほどの値段がつくかどうかは判らないが、内容が内容だけに公表が出来るかどうか。

このテーマだけでミステリーが一作書けますが、未だに誰も手掛けません。

2020年12月2日水曜日

阪神間モダニズム





 まあ早い話しが六甲山麓界隈での衣食住全般のスノブでハイカラなライフスタイルの事。

時代は明治の終わりから昭和の初め

着る物や食べるものは流行があるのでさておき、建築物の事。

基本は和洋折衷的な洋風建築。多くはたびたびの災禍で滅失してしまったが、風雪に耐えて....

偶々調べたものでご紹介しますのが「八馬汽船本社ビル」

アタシの下駄履きアパート界隈には「◯馬家」なる名家あるいは名家の末裔がそこそこおいでになる。

代表的なのは、辰馬....白鹿や白鷹ブランドの蔵元。戦前はかなりな地方財閥で、いまも隆々たるもの。

◯馬は、西宮恵比寿神社に出入りする家柄。

八馬さんは、元々は米商人。江戸末期に海運業に進出し、家運を上げたようである。お米連想で醸造業にも進出「多聞」ブランドのポン酒はそれなりの知名度があった。

因みに多聞は八馬汽船の所有船舶の名前でもある。

キャプション代わりの洋風建築物は、八馬ビルとでも言われていたのでしょう。

一階にはグループ金融部門である西宮銀行。二階が八馬汽船の本社がはいり、阪神間モダニズム建築の数少ない生き残り。

しかしながら、八馬家は財閥としては消滅した様です。

八馬汽船はNYKの子会社になってます。

醸造業は民事再生の果てに解散。多聞ブランド名だけは大関酒造に受け継がれた...がほとんど目にしない。

西宮銀行は、のちに神戸銀行の母胎となり....いまはどっかのメガバンクのパーツになりました。

このビルも、誰かの手にわたり....廃墟化はしていませんが、空き家状態です。

効果的な使い方を考えている最中なら、、実に嬉しいが....

2020年12月1日火曜日

グレートギャツビーを「探して」




 ジョン・グリシャムの原作をハルキが翻訳

主たるテーマがフィッシュジェラルドの生原稿....で食指を動かさないようではプロ読書家の名がなく。

オリジナルタイトルは「カミラアイランド」...このままじゃいくらなんでも売れない。

しかし、なんとも芋臭い「グレートギャツビーを追え」はないと思いますよ。

だっからノーベル賞は貰えないとは言わないが、今日の名題のようにするヒラメキはなかったのかなあ。





価値ある「骨董品」盗難事案は数多あるが、稀覯本やその生原稿はあまり素材にならない。

倭国の時雨亭文庫の定家直筆本なんか垂涎だとおもうが、倭の文化遺産は残念ながらグローバル性は今んところ全くない。いくら国宝と胸張っても夜郎自大なんです。倭国の文化性を世界にアッピールするならば、今時のアニメなんかよりも.....

世界中の美術品専門の窃盗団が押し寄せてこそ、文化立国になれるのです。


さてストーリーはある意味で単純。

プリンストン大学が所蔵するフィッシュジェラルドの生原稿を生原稿が盗難に遭い、それを回収する狐と狸の騙し合い劇。

グリシャムにしては珍しく法曹界の人物の登場が少ない。その代わり出版業関係者のオンパレード。

それなりにおもしろいが、生原稿なんかのコレクションって楽しいかなあ?

初版本コレクターはまま居ますが、初版がどうした!

アタシは「茶碗」が好き。

桐箱に入れて遠くから眺めてもよし

箱から出して両手で愛撫するものいいし、

茶道具としてつかうのはもとより....

一番は、目の球が飛び出そうな値段の茶碗で、牛丼やお茶漬けを食べる楽しみ(^.^)

所詮は生活雑器。使ってナンボ。

割れれば、漆を使った金継ぎ....斬新な茶碗の風景が出来上がる。

古田織部のようにわざと割って金継ぎの風景を作り出すほどの倒錯性はないが、、、気持ちは多少理解できます。



サイタサイタ「サクラ」がサイタヨ


 

桜を見る会のスキャンダルは日共のサクラ満開スマッシュヒットだった。メディア報道の後追い質問しか出来ない野党には珍しい事だが、後続がなく逃げられる醜態。司直の調査が明らかになると色めくが、更に醜態をかさねそうだから、プロに任せておけば良いのよ。

サイタサイタ!と騒ぐなら「最多」の方

東京スポーツレベルの赤見出しの連発もまた醜態。

感染者数は....

全国で過去最多

日曜日としては過去最多

兵庫県としては過去最多

◯◯人以上の感染発生が◯日連続は過去最多

こじつけめいた最多記録の発掘が昨今の報道スタイルらしい。扇情的なキャプションでスポーツ新聞なら部数は増えるだろうが、全国紙では無意味。

危機感醸成ばっかりの大本営発表新聞なんか誰が読みますか。それに「気の緩み」だって?

感染拡大は国民が悪い...自助が足りないらしいって!

無策失政の隠蔽工作の片棒まで担ぐんだから....


益々紙新聞の余命は短くなった。

高齢者でもスマホ利用率は八割程度らしい。残り二割は多分ですが健常とは言い難く、無論紙新聞も読んでいないはずだ。スマホと紙新聞の選択を迫られたら結果は自ずと明らか。

紙媒体で生き残るには、徹底した調査報道しかない。

ハイクオリティだから部数は激減するが一定のマーケットはある。ネット化でマスで稼ぎ、プライドは高級調査報道紙で堅持する。

問題は戸配システムのソフトランディングだが、実態として外国人の不法就労が支えているとも言われていますから、これも緩慢な自裁でしょう。





2020年11月30日月曜日

ホモサピエンスの涙


 ワンカットワンシーンという映像テクニック。

業界用語としては、ショット、シーケンスなんかとの区別が曖昧なんですが、概ね....
フィルムが回りはじめてから終わるまでが「カット」
物語の場面のひとつを「シーン」
と呼ぶ。
つまり長回し....YouTubeの投稿の大半がこの類いだが、商業映画の世界だとチカラのある映像作家のお気に入りのテクニック。アナログの時代は撮影機器の制約から最長時間の制限があったが、いまや一本の映画をワンカットで製作することも可能....だからといって結果が素晴らしくなるかどうかはなんとも言えない。

ロープ(ヒッチコック)は、ワンカットワンシーン技法の名作とされるが、実際には上記の制約から巧妙に編集されています。実のところ、こんな面倒な技法を使う必然性があったかどうかは疑問ですが、映像作家としてのして職人芸を見せびらかしたい遊び心なんでしょう。


今日の作品は、プロの賞賛を浴びるノルディックの映像作家が、極私的世界を実現する為に、それぞれがワンカットで作られた色鮮やかな無色彩の33のシーンからなる一本の映画。オムニバスと言うには、ワンシーンが二分ないし三分あまり。ショートショートの連作集みたいな感じかも。
加えて、固定カメラの正面からのフルショットのみ
まるで連作絵画の映像版。

デンマークのハマスホイを連想しない方が如何なものかと。


実に蠱惑的
とりたててのドラマがあるわけでもなく、いや、きっちりと精査すれば、何かが見えてきそうな....


2020年11月28日土曜日

滑走路


 

今年の映画賞レースはどうなるのかなあ?

出走馬が少なすぎるし「鬼滅の刃」に決まった感もあります....そもそもアニメは映画じゃないのに


今日の素材、アタシとしては凄く嫌いなタイプの作品です。

アタシにとって映画とは

耽美

陶酔

倒錯

退廃

蠱惑.....とかなんとか反日常的時空に浸れるもの

あるいは、一日の過酷な労働に疲れた労働者が一時の慰安と安寧に身を委ねるもの


今更身に染みた過酷な現実をフィクションたる映像の世界で見せつけられて何が楽しいし面白い。

いじめ

引きこもり

非正規

過重労働....とか展望のない未来を前にして、希望なんかあるわけが無い。

結婚、子育て...全てに虚しい。

こんな映画をつくって....まあそれでも希望にすがろうって


若くして自裁したアタシの母校の後輩らしいが、彼は中高はとんでもない進学名門校、そこで凄まじいイジメをうけてそのトラウマから脱却出来ずに不安定な非正規労働の傍ら詩作に励みひとかどの盛名を得るも死を選ばざるを得なかった詩人の魂の遺稿を元にした映画というふれ込み。


普通は敬して遠ざくのですが、遺作の歌集をモチーフというから、あの寺山修司の「田園に死す」を想起し遥々とコロナ禍の雑踏に足を運んだのだが....


今の日本映画の水準からして、監督の実質デヴュー作ですし、出来栄えの良い部類。

シナリオが多少不親切かな。

15歳の中学二年の頃

社会に出て25歳の頃

さらに数年経過したシーン

なんかの区別がつきにくい、あるいは混乱している。

登場人物のそれぞれの時代の描写のようなそうでないような....あえて自分で解釈しなよ!って突き放したのならそれも技法かも

しかし主要な登場人物三人の人生の起承転結がついていない。

やはりシナリオは破綻しているとおもうべきだ(しかし、かなりええ加減に観てましたから見落としもあるし....)




2020年11月26日木曜日

完全版商法

 


プロ映画鑑賞家なら解ります。映画「地獄の黙示録」にはさまざまなバージョンがあり....早い話が商法のひとつ。映画作家としてより完璧なものを目指した結果とか、興行上の理由から意に染まない編集を余儀なくされた...とか言い訳はさまざまあろうが、こうなれば「定本」とはなにか?という事にもなるし、あるいは作品としては「別物」と見做すべきかも

153分(劇場公開版)
202分(特別完全版)
182分(ファイナル・カット)


作家の中にも、刊行される度に加筆訂正を行う方がいる。誤植訂正は当然としても、高村薫さんのように原型が変わる程書き改める....これはこれで読み較べる愉悦が味わえる。

もっとも高村作品だから、そんな気持ちにもなるんですがね。

またアコギなヘボはタイトルだけを改竄して新作と売り付ける詐欺師文士もいる。安物の版元ではたびたびあるようだが、アタシだと、手にするだけで黴菌に感染しそうだと思うし、読書もプロだから読まずとも良書悪書の真贋くらいは分かる...ってたまには自慢してみよう(^.^)


しかし、このアタシをだますとは...新潮社も落ちぶれたものだ。加担したかの危険な著述家も共謀共同正犯かしら?

作者初のミステリー小説と銘打ちアタシに売り付けた際には「歴史サスペンスロマン三部作」と....虚報新聞社だけのことはある。今回は「書き下ろし新作を加えての全四巻」

一流版元だけに多少の節度は有るらしい...見落としたアタシの過失かなあ?

でもタイトルまで改変されると無理だ。


それに塩野七生唯一の歴史小説....って誤解しますよ。

彼女の著作は実在の人物が登場する半ノンフィクションだし、半フィクションという方が正解かな