2020年11月30日月曜日

ホモサピエンスの涙


 ワンカットワンシーンという映像テクニック。

業界用語としては、ショット、シーケンスなんかとの区別が曖昧なんですが、概ね....
フィルムが回りはじめてから終わるまでが「カット」
物語の場面のひとつを「シーン」
と呼ぶ。
つまり長回し....YouTubeの投稿の大半がこの類いだが、商業映画の世界だとチカラのある映像作家のお気に入りのテクニック。アナログの時代は撮影機器の制約から最長時間の制限があったが、いまや一本の映画をワンカットで製作することも可能....だからといって結果が素晴らしくなるかどうかはなんとも言えない。

ロープ(ヒッチコック)は、ワンカットワンシーン技法の名作とされるが、実際には上記の制約から巧妙に編集されています。実のところ、こんな面倒な技法を使う必然性があったかどうかは疑問ですが、映像作家としてのして職人芸を見せびらかしたい遊び心なんでしょう。


今日の作品は、プロの賞賛を浴びるノルディックの映像作家が、極私的世界を実現する為に、それぞれがワンカットで作られた色鮮やかな無色彩の33のシーンからなる一本の映画。オムニバスと言うには、ワンシーンが二分ないし三分あまり。ショートショートの連作集みたいな感じかも。
加えて、固定カメラの正面からのフルショットのみ
まるで連作絵画の映像版。

デンマークのハマスホイを連想しない方が如何なものかと。


実に蠱惑的
とりたててのドラマがあるわけでもなく、いや、きっちりと精査すれば、何かが見えてきそうな....


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