2014年11月2日日曜日

能楽鑑賞のカタツムリ風手引き(再掲)

11月16日の素人会に、死ぬほど暇で、怖いもの見たさの方の為の能楽入門ブログです。
当日は、渋谷セルリアンタワー内の能楽堂



能楽とは、言ってみれば和製のオペラあるいはミュージカルです。
芝居(語り)+歌(謡い)+踊り(舞)の組み合わせ
コーラスもオーケストラもついてます。
コーラスを地謡(じうたい)といい、4人ないし8人で構成
オーケストラ(囃子)は管楽器(能管)と
打楽器(大鼓、小鼓、太鼓)で構成される。

主人公は、シテ
相方が、ワキ
その他、ツレとかが、登場する・・・のですが、実のところ「シテの一人芝居」

 
基本的に舞台装置なるものはない。
しかし、一期一会で、公演は一回こっきり
ロングランなんてありえないのだ。

 
オペラもそうであるが、部分を切り出して演奏されることが多いが、能楽も同様。
フルエントリーで一曲やるのは大変なので、特に素人さんの場合は
以下の通り切り刻んで「おさらい会」に臨むのだ


    語 り 謡 い  舞  地 謡 囃 子
---+----------------------
能 楽  ○   ○    ○   ○   ○
舞囃子          ○   ○   ○
仕 舞          ○   ○
素 謡  ○   ○        ○
独 吟 (○)  ○


で、一番多い出し物がお手軽なもんで「素謡」
一人の素人さん(シテ役で主役をはります)を
数名のプロがサポートしますから、まあ、ヘタでもなんとかなる。
レベルが上がってくると、独吟なんか(つまりソロ演奏)やりますし、
舞をやっておられる方は、仕舞から舞囃子と格が上がっていきます。
最後は、能楽を演じるところまで行くのですが、
それはもう、お金のかかる「道楽」としかいいようがありません。
曲目によればQEで世界一周するくらいかかるらしいが、
世界遺産保護(能楽は無形遺産なんです)のためのパトロンの気分が味わえます。

 
邦楽でもちゃんと楽譜がありまして「謡本」といいますが、
流派で、多少記譜が異なります。
見た目、芝居の台本ふうですが、様々なト書きがついておりまして、
これが「謡曲風記譜表現」

西洋音楽的に言えば、長調と短調に分かれます。
強吟と弱吟という分類です。
音階は、東洋固有の五段階で、それぞれに半音階もあります。
但し、絶対音感はなく、主役の音程が基準になります。
その他、クレッシェンド、フォルテとか様々な強弱記号もあり。
しかし、記譜表現に関わらずこのように演奏すると言う
口事秘伝めいたところがあり、こういうのが、家元制のある文化の特徴ですね。

 
さて、演題ですが、原典の多くは、源氏物語、平家物語あたりが素材。
その意味で、ある程度の予備知識があることが前提条件。
新作能もたまにありますが、上演されるもの、ほぼほぼ数百年間演じ続けてきたものばかり。
能楽は、はっきりいえば「退屈」で「苦痛」
爆睡している観客は、枚挙にいとまなく別に非礼でもない。

 
装束は、能楽の場合は、あの豪華な能衣裳をまといますが、
我々は、仙台平五つ紋(羽織なし・・・というか本当の正装は五つ紋に袴。羽織は袴を付けない場合の略装)
女性は、和服(みなさん、高価なお召し物のようです)
小道具は、能扇子一本のみ(・・どんな扇かは、面倒な約束事が有ります)
アマチュアは台本を置いての謡ですので、
よっぽどのことがない限りとちりもなく、むしろ立ち居振る舞いがキレイかどうかの方が重大時。
終わって後で、しびれが切れて立ち上がれないような無様なことに
ならないように、足腰を鍛える方がより大切!


そうそう・・・アマチュアですので、オアシを頂戴するわけにはまいりませんので、無料です。
素人会鑑賞のプロは、素人の部分は爆睡し、プロの演じるところだけを見る(笑)
もっとも、差し入れのたぐいは、瓶ものあるいはそれにツロクするものであれば
なんでも頂戴いたします。


14時ころから一時間程度が出番です。


















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