2015年12月10日木曜日

放浪のアデーレ



経済価値一億ユーロ!!(ビックリマークが二つでは足りないが・・)
所有権を主張した裁判。
訴額はその金額になるんでしょうねえ。
アメリカ人の代理人がつきましたから、成功報酬だって凄いだろうなってゲスは思ってしまいます。
原告は、どうやって弁護士報酬を支払ったんでしょうか?



ヒロインを演じた老女は、亡命ロシア人貴族の末裔。
オーストラリア政府相手に、家族の歴史と人生を彩る名画の返還を求める亡命ユダヤ人の
役柄にふさわしい。
当然ながらデイムの称号をお持ちである御年・・・古希くらいだそうです。



お話は「感動」実話そのもの。
しかし、浮き沈み流転する人生ストーリーは、切り口によってなんとでもなる。
蟷螂の斧のような無謀な裁判は、首尾よく勝利した。
海を渡り、アメリカに移り住む「名画」は、ほどなく大手化粧品会社の手に落ちる。
貧しいことは悲しいことだ。
その経済価値でオーストラリア政府なりが買い取れば、かの「黄金のモナリザ」は
クリムトの生まれ育った安住の地で悠久の時を過ごせたものを・・・
哀れ・・・かどうかは見解の相違であるが、資本主義の広告塔となってしまった。

有償での永久貸与って選択もあったのでしょうが、
多分ですが(勝手な憶測です)、原告老女は、裁判費用の捻出するために
売り飛ばしたんでしょう。
映画で描かれるような美しい物語だけでもない・・・って思えてきました。



なまじっか、名画の裏話を知っていると、この佳作もいささか薄汚く見えてくる。
知らないと・・・エンドマークのあとはスタンディングオベーションをしたくなる。
ゲスの妄想は、更に続くわけで、制作費は11ミリオン。
興収は、その英語版ウィキペディアでは、その五倍程度ですから、ビジネスとしても大成功
確証はまったくありませんが、きっとエスティローダー社(オークションで落札した化粧品会社)が
資本を出したに決まっている。


但し後日談には触れない条件で・・・
今回は、理性と論理裏打ちしてるつもりですが、事実と証拠は・・・危ないですよ(笑)

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