2015年12月30日水曜日

当籤金付証票

一等当選額が、十億円と言われればいささか心も揺れる。
買わなきゃ当たらないなんて惹句が背中を押す。
確か税金はかからなかったし・・・

まあ、騙されやすい大衆相手の詐欺とはもうしませんが、有利誤認商品。
いまの原型ができたのは、戦後間なしの頃。
富籤販売は刑法犯ですから、正当行為とする為の立法措置が行われた。

当せん金付証票法

宝くじの正式名は「当せん金付証票」というそうです。

条文数にして19条。
確かに、所得税は課さないと13条に明記しています。
一方で、払い戻し当選金は販売総額の五割までという上限規定もあります。
そもそもの立法趣旨からして

経済の現状に即応
浮動購買力の吸収
地方財政資金の調達

という戦後の苦しい状況を踏まえての資金調達方法であったということが、分かります。
つまり、宝くじを買った時点で、五割の税率で税徴収がなされているという事と同意義であり、
税金が課せられないというのは錯誤にすぎない。
売り上げ総額が一兆円くらいですから、五千億円弱の税収。

しかし、戦後なんて大昔のこと。もはや大義は失われたでしょう。
一方で、現下の財政状態からして、公営ギャンブルをやめるのは難しいというが・・・
一千兆円の借金を抱え、国家財政は、破綻寸前。あらゆる増税を・・・
が、複式簿記的にいえば、負債の部だけにフォーカスを当てずに資産の部もみるべきだし、
さらに言えば、剰余金を貯め込んだ特殊法人なんかは子会社みたいなもんですから、
連結決算をやれば、言われるほど深刻な財政状態でない可能性が高い。

浮動購買力とは、この法律で初めて知った言葉である。
たんす預金だとか一攫千金を夢みる投機資金をいうらしい。
そもそも的に資産運用に長けた富裕層は宝くじなんか買わない。
カラクリを知れば、割の悪い投資でしかない。
つまるところ、庶民の薄いお財布から掠めとるアコギなビジネスであり、吸収すべき浮動購買力の吸収にはなっていない。

背に腹はかえられぬのは致し方なくとも、そういう事態とも言いがたく、
不正パチンコ台がまかり通ることも含め、ギャンブル国家の様相とは如何なものか?
海賊行為や人質ビジネスを生業とするローグネイションを非難する資格すら問われそう。


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