2016年1月27日水曜日

china 2049 を読む


歴史の波動性を50年単位くらいで評価するのが倭人。
竹村健一だか半藤一利なんかも同様の言い方です。

明治維新
日露戦争
第二次世界大戦の敗北
ジャンパン・アズ・NO1時代  ・・・

しかし、華人は百年単位くらいで考えるそうです。

清朝の隆盛期には世界の過半のGDPを握り、その後のアジア的停滞までが百年
アヘン戦争の屈辱から共産党による権力奪取までが百年
それから百年をかけて世界覇権を目指す!
従って、その目標時期は2050年ころ



シオニストの陰謀論さながらの「論文」がこれ

原題をそのまま訳せば「百年マラソン」


著者は、アメリカの立法府や行政府のインテリジェンスを専門とするドクター号を持つ元中堅官僚だそうです。
見るに胡散臭そうなシロモノですが、なんせ著者の知名度がない(単に無知かも)ので、経歴の信憑性はなんとも言えない。
出版元は、日経BP社
去年の七月に初版で、買ったのは第七版。
結構注釈がついてますし、実証的ですので、まったくの口からでまかせではなさそうです。



長い間疑問以外なにものでもないのが、アングロ・サクソン人の中国に対する過度ともいうべきシンパシーは
一体どこから来るのか?
パール・バックの「大地」なんかがノーベル文学賞に輝くし、
エドガー・スノーの「中国の赤い星」なんか、読んでる方が恥ずかしくなるほどの賛歌
優しく接し、支援すれば、価値観を共有できる友人になれるはずだ・・・
著者は、我々は中国人の本性を見誤ってきた・・・と片付けますが、
今少しはっきり言えば・・・

一流は韓非子を読み
二流は孫子を読み
三流は三国演義を読む  ・・・という習性。

もっと正確に言えば「建前の孔孟、本音の韓非」
善意と誠実さからなる儒教的世界が中国であるという大いなる誤解に起因し、
それが誤解であると、中華的教養に親しんだものはだれでも判る。
その習性を隠蔽し、瞞天過海することも知っていたはずだ。
倭人は当然それを親しんできたはずなのですが、そもそもお人好し人種ですし、
左翼シンパシーと欧米論表崇拝のなかでいつしか忘れてしまった(あるいは忘れようとしてきた)
自由と改革への邁進、民主化、価値観の共有・・・なんて本当は見果てぬ夢なんですよ。
大マスコミの当時(例えば文革の初期)の礼賛記事なんか、今読めば気恥ずかしくなる。
 

笑うセールスマンよろしく・・・ウラミハラサデオクベキカ(笑)

まあ、笑い事ではなく「百年の屈辱を百年かけて復讐する」っていうのが民族的習性。
そんな露骨な言い方はしない。
言い換えると「中国の夢」の実現

韜光養晦という言葉がある(出典は韓非かな?)
野心を隠してその間は力を蓄えるという感じだと思えばいい。
さすがに最近は、衣の下の鎧を露骨に見せだしてきた。
建国百年まであとしばらくですが、一寸先は闇。
歴史は一直線に進むものではなく、野望だって挫折することがある・・・が座して思うとおりになるわけではない。



中華文明には、足を向けて寝られないほどの恩恵を受けてきたが、それはそれ。
侵略の負の歴史があるとはいえ、今の基準で過去の評価をするものではないし、歴史的にはお互い様
相手の嫌がることをことさら露骨にやるような愚を犯す必要はないが、
非難することの多くは彼らにとって非常に嫌な(困る)ことなのだから、非難されたからといってめげる必要もない
内部に「第五列」だって存在するし、人の和を乱す(国論の分裂誘導)ことは、常套手段
互角の体力勝負は不利です。ボクシング的には階級が違う。
でも、戦い方はいくらでもある。


先祖は、幾多の「生きる知恵」を中華文明から学んできました
曰く・・・

面従腹背
馬耳東風
是々非々
敵の敵は味方  とか



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