2016年4月10日日曜日

千載不決の議

歴史ミステリーは、楽しい。
通説を覆すような鬼面人を驚かすような論は楽しいが、多くは知性的ではない。
中国史最大のミステリーは、ブログタイトルの通り「長い時間かけても決して結論の出ない議論」とされている。

宋代での初代から二代目継承に於ける真実

ありていに言えば、急死か毒殺かという点につきる。
初代は呑んだくれだったようで脳溢血の可能性が高いものの、情況証拠的には
二代目の犯行が疑わしい。1000年も前の出来事。
初代の遺骨等をDNA鑑定でもかけてなんか出て来れば別だが、今となっては闇の中

初代・・・太祖である趙匡胤は、中国史では稀有な名君である。
軍人出身ながら、殺戮、贅沢を嫌い、文治を事とした。
軟弱ながら宋代300年の統治が続いたし、文化香る御代であったことも、彼の遺徳である。
何事にも光と影があり、

科挙至上主義からくる文人派の抗争
硬直化した儒学の悪弊
武の軽視による異民族侵略
平和を金で買う堕落

聞いたような話ですが、まあろくなことは無かった(笑)
腐敗堕落政権のおかげで「水滸伝」という反体制派小説が出来たし、
文人官僚群の行跡記録である「宋名臣言行録」を手にする事ができる。
名臣というものの、単にキャリア官僚に近いさほどでも無い者が多い。
暇でもない時間を費消するなら、貞観政要の方がいいが、ネットサーフィンの暇があれば
読むべきものの一つではある。

ちなみに、水滸伝の頭目である晁蓋は、太祖趙匡胤がモデルだとか
さすれば、晁蓋の跡目の宋江は、趙匡胤の弟でもあった趙匡義かな?
水滸伝が痛快なのは最初の部分だけで、後半追加された体制のイヌ化の
おかげでなんとも通俗化してしまった。
だから焚書の憂き目も見ず、西太后の愛読書として今日に至る。



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