2016年4月24日日曜日

二番目の世界帝国の崩壊がもたらしたもの



はっきり言えば、よう分からんくらいに複雑怪奇で、浅学菲才の身が快刀乱麻に語れる事でもない。
ただ言えることは、そもそも的に血を血で洗うような宗教問題ではないし、民族問題でもない。
イスラムもカトリックもユダヤもすべからくアブラハムの宗教である。
元来不仲でも無かったが外的要因で仲違いを余儀なくされ、だから「近親憎悪」と言われる。

中東世界は長く平和で安定していた。
パクスオスマーナとでもいうべきか(知る限り斯様な表現を使用する歴史家はいない)
オスマントルコによる支配ですが、トルコ人国家というわけでもない。
民族や宗教に寛容であったので、トルコ民族がアラブ人・ペルシア人を従属していたという構図でもない。
ある種の多民族国家であって、単にオスマン帝国という方が正確であり、クラシックローマ以来の16世紀の世界帝国である。
因みにトルコ民族の民族自決意識は、現在のトルコ国発足以来のこと。


老体と化したオスマン帝国に襲いかかったのが、ロシア帝国であり、中東利権を狙う四番目の世界帝国である英国
反トルコのアラブ人を焚きつける同時に仏露と利権案分を画策し、ユダヤ人に建国の了解という解不能な三次元方程式の
作成元は英国にある(その後の五番目の世界帝国の陰謀もさらに輪をかけた)
昨今認知度を上げつつあるクルド民族国家問題の根っこもここにある。
要するに、大国のパワーゲームに弄ばれたのですよ。


ロレンス中尉の活躍は、アラブシンパとしての親切心からなのか?大英帝国の陰謀の片棒担いだのか定かではない。
毀誉褒貶のはげしさからすれば、どっちかと言い切れるような単純なものでもなさそうだ。
アマゾンプライムに傑作「アラビアのロレンス」がリリースされました。
長尺を思わせない見応えのある・・・どうしてオスカー作品賞でなかったか不思議以外の何物でもないが、
不可解な中東問題のとばっちりではないかと、勝手に得心しています。







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