2017年6月5日月曜日

花の様に華やかだった日々




本来は今月の巻頭の力作のはずが、馬鹿馬鹿しい時事ネタで今になりました。



世紀末を善悪や適否を見極められる年代で通過することはある意味で僥倖かもしれないし、
そのチャンスは人生でまず一回きり。
20世紀の最後の年の最大の収穫と同時代として生きることができた喜び(・・大袈裟ですねえ)
じれったい不倫映画と思う手合いとはスクリーンを共有出来ないし、一生に一回あるかないかの邂逅に気がつかなかった不幸人(笑)


実のところ、ダルいしかったるい。
彼女の主演映画なら「宋家の三姉妹」が一番オーソドックスだが、個人的な波長からすれば「ラブソング」が一番かもしれない。


舞台は60年代の香港
これからの成長と不安の予感の時代
同じ日に同じアパートに引っ越してきた二組の夫婦
男には、外出の多い(夜勤?の多い)妻
女には、海外出張中の夫
なにも起きないのが不思議なのですが、実は何も起きないのです(苦笑)
だからじれったい・・・
お互いに配偶者に不倫された相哀れむ身の上なんだから、さっさと・・なんて単純なしつらえでは奥行きがない。
倦怠感漂うじれったさの中の、いじらしいような心の微妙な触れ合いが「何も起こらないという大きなドラマ」を紡ぎだす。


彼女は絶世のアジアンビューティとまではいかないが、
30着以上と思えるチャイナドレスをあれほどまでに清麗に着こなすに必要な因子・・・

細い首
たおやかな背中
高い腰
しなやかなくびれ

の持ち主であり、チャイナドレスを着こなすためのような美貌と体型に恵まれたのが、マギーチャン
最近は、映画は半ば引退状態で、いささか音程に不安を抱えながらもコンサート活動に熱心らしい。
残念なことだが、これ以上の演技はもはや望めない以上、あの時の余情は、記憶の中だけで充分です。
いまや香港映画は見る影もないってところが、おかれている立場を暗示している。





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