2017年10月13日金曜日
路地裏のショーウィンドウ(3)
リーガルコメディである「ボストンリーガル」の白眉のシーンは、
毎回の法廷での最終弁論。
別に今に始まったことをでなく、シェイクスピアだって、ベニスの商人やジュリアスシーザーは
山場は弁論(演説)にある。
巧妙なレトリックに感心しながらも、度重なれば思考は異次元に飛ぶ。
リベラルアーツの七つの学科のうち、基本は
文法学
修辞学
弁証法 だとされるが、イメージとして理解しにくいっていうか、
通常の言葉の定義といささか異にする。
なもんで、言い換えると(樺山紘一先生の理解を援用)
理解するための技術の修得
コミュニケーション力の醸成
論理的思考能力の向上方法
と言われれば納得する。
巧言令色少なし仁
いはでおもふぞいふにまされる
沈黙は金(雄弁は銀)
なお国柄ですからお口が達者ってあんまり尊敬されない。
しかし、以心伝心とか阿吽の呼吸なんて気心の知れた小集団に於いてのみ
通用するものであり、様々な意見や立場、主義主張の不特定多数を相手にするには
斯様なリベラルアーツが必須課目となる。
クラッシックローマ最高のローヤーがキケロ
彼の弁論が如何に理性的で論理的かは様々に述べられるが、
この整理が一番分かりやすい。
修辞学の基本要素とはこれに尽きるのです。
創案(論述の目的と素材を明確にする)
配列(目的に合致するように素材順序正しく並べる)
表現(実際の言葉で論点を書きあらわす)
発声(実際に発音しその効果性を確かめる)
想起(陳述が聴衆の心に響いたか)
別に懇切丁寧に講釈して貰わなくとも、この程度の事は考えて
資料を作ったり説明したりもしてるんですがねえ(^^)
舌足らずな記者会見やプレスリリースがあまりに多過ぎるし、
訴状は意味不明、判決文は晦渋なんて宜しくない。
学校で教えてくれる事はまず期待出来ない(教える人がいない)ですから
本屋さんにあるかどうか知りませんが、ちゃんとした修辞学の本で独習すべきです。
ちょい補足すればというか一番言いたいのは「巧言令色」は今もって真理だと言う事。
一般的な誤解があり、弁論をする者に対してでなく「聴衆への戒め」としての警句なのです。
軽薄な美辞麗句に騙されやすいから気をつけなさいということ。
あの偉い孔子様が普遍的な真理以外をのたまう筈がない。
所で投票日はいつだっけ?
虚飾の弁舌に騙されて期日前投票をしちゃった方はお気の毒様(^^)
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