よくよく考えれば、レディムラサキの狡猾な意図だかどうかは分からないが、肝心な山場を書いていない。
藤壺中宮や六条御息所との馴れ初めとか、唐突におはなしが終了する宇治十帖のさらなる展開とか、、、
お節介な誰かさんでなくてもスピンオフというか偽書を書いたりしたくなる。
ヒカルくんの12歳から17歳の多感な時期を書いた帖がないことはさておき、ヒカルの晩年と尻切れトンボな宇治十帖の続編について、、、偽書である「雲隠六帖」の波瀾万丈な展開は実に面白いのです。
なにぶんに大河小説ですから、大抵は須磨明石あたりの帖で挫折するようですが、本当に面白いのは、前半の「花から花へ」ってなオンナ遍歴ではなく、後半の二股愛やら不倫やらのどろどろソープオペラまみれ。
簡単に説明できないくらい複雑な関係で、コレに比べれば芸能界相姦図の方がまだ清廉。
その辺りを、レディムラサキの実作と偽書をマージしてストーリーを展開してみるに、、、、
薫大将はヒカルの妻(女三の宮)が頭中将の息子(柏木)と不倫して出来た息子で性格は優柔不断。
薫と匂宮(ヒカルの外孫)はヒカルと頭中将みたいなライバルにして親友
本命は別なもんだから、薫は当てがわれた宇治の姫君(中君)を女衒宜しく匂宮に差し出す。後に匂宮は即位し中君は中宮にまで出世した。
逃した魚が惜しくなり、薫は改めて中君に言い寄り不倫の果てにさらに、、、
ややこしい因果ばなしですが
帝の妻(藤壺)と不倫したオトコ(ヒカル)が不倫されて出来た子供(薫)が帝(匂宮)の妻と不倫をして子供を産む、、、
多少時間軸を戻して、中君を失った薫は三女(浮舟)に手を出す。首尾はよかったが、モタモタしているうちに匂宮に寝取られてしまう。典型的な三角関係でその清算はオンナの入水
そして浮舟は発心し、薫をふり切り出家、、、で正典の方は終わるが、、、
偽書ではあっけらかんと浮舟は、現世に帰ってきて薫と結婚、、時は流れて数多い登場人物は鬼籍に入り、二人は仲良く出家で大円団。
なりふり構わず書いてしまえば、書かれていないこと、、、余白がある事で、この大河小説の素晴らしさが担保されてるってよくわかります。

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