2024年7月5日金曜日

前日譚

 


だんだん良くなる、、、のは、法華の太鼓だけじゃない。




音にのみ反応してヒトを襲うエイリアン

水に弱いのが弱点と言えば弱点

黙示録的に天空から降ってくる災厄


プロット(エイリアンの造形設定)が秀逸だったのが勝因。家族が力を合わせてサバイバルに挑むが、一家の主は犠牲的に死を遂げる

残された妻と子供は新天地を目指して、、、実はあんまり面白くなくてPart2の記憶は曖昧

三作目は前日譚のスピンオフ版

マンハッタンが壊滅するのですが、孤島化する事によりエイリアンを封じ込め、逃げ延びる才覚あるヒトザルだけが自力でなんとか船に乗り、、、


末期癌患者のアフリカン(なかなか上手い役者だなあと思ったが、やはりオスカーベストサポーティングアクトレスだった)

彼女が廃墟で出会ったのはロースクール留学中の英国男性。愛猫を連れて二人と一匹の奇妙な逃避行。

アフリカンはもはや生の執着がない。

想い出のハーレムのライブハウスで忘れられないあのピザを食べることだけが今生の最後の願い。

英国紳士も彼女の願いを叶えるべく、危険を顧みずPatsyのピザを探し回る。



ホラーサスペンスにあるまじき牧歌的なシーンがこの映画の品格を高めています。

このライブハウスが実在するかどうかは未確認だが、パッツィのピザは有名です。

エンディングの解説はしないが、ある種のカタルシスを感じるハッピーエンド。

実に素晴らしい

傑作や秀作とまで持ち上げないが、かなりな佳作です。





2024年7月3日水曜日

百年の孤独

 


発売日は6月26日
しばらく寒村陋屋にいなかったもので、、、多分だが、6月末頃には配達されていたのだろう。
アマゾン社は、7月1日を配送指示日にしていた模様

単行本と同じく鼓直氏の翻訳だが改訳版のようだ。昔の翻訳は今となっては齟齬感を感じたりするから、、、、当時は「葡萄酒」が当たり前だが、昨今は耳にも口にもしない(^^)

世界で五千万部売れたというが、倭國では70年代はじめに刊行され、、、でも累計たった30万部

今回は社会現象的に売れる、、、かなあ?



原本の奥付をみれば

発行日 七月一日 第二刷七月五日

出版の世界のDATEとはかくもええ加減なものなのか、、、というかある種の表示違反だろう。

硬い事は言わないが初版本が欲しかった、、、かなりはやく予約注文をしたのだが


とりあえず、脚注と人物一覧のページに付箋を貼り、読み始めたが、、、サクサクと読めるのは良いとしても、60ページにして既にムニャムニャなる同じ名前の人物が三人も登場した(^^)

先が思いやられますなあ




あの黒木本店さんの「百年の孤独」にも注文が殺到してるかな。

ちなみに「失われた時を求めて」なる焼酎も黒木本店にあります。



2024年7月2日火曜日

警察ミステリーばかりが、、、

 



公開中の「朽ちないサクラ」に苦言を呈したのだが、アタシの苦言にも関わらず、、、そりゃそうだろうとおもうのだが「苦言」の真意を。


警察ミステリーの明確な定義は知らない。

司法警察職員(いわゆる警察官はその代表であり全てではない)がセンターを張り、加えて警察組織に関わる事件や事故をテーマとするフィクションだと仮置きする。


かようなジャンヌが脚光を浴びることが良いことか否かはなんとも言えない。少なくとも「不祥事」があれこれ認知取り沙汰され、ストーリーのコアになりやすくなってからだ。


刑事警察と公安警察の暗闘

裏金つくりや公金の流用

不祥事のもみ消しや冤罪つくり


枚挙のいとまなく、、、、昨今そのような事例が増えたのか、水面下での隠蔽が効かなくなったは分からない。

要するに、警察ミステリーの隆盛とは「警察組織の大部な不祥事列伝」が背景だということだ。

単純な勧善懲悪に拍手喝采するほど昨今のミステリーファンはナイーブでもない。


柚月裕子の「朽ちないサクラ」の続編が「月下のサクラ」

モチーフの一つが「多額の公金の紛失」

聞いたような話だが、2017年に広島の某署保管の特殊詐欺の証拠物件である九千万弱の金員の紛失が発覚した。

被疑者は立件前に死亡し、紛失した金員は警察幹部等が弁済したらしい、、、真実は明らかにならずか明らかにせずかは知らないが、かようなモヤモヤ感も警察ミステリーの特徴。

カタルシスな読後感が味わえない小説のどこが面白いのか(^^)


肝心の興収は、、、杉咲花作品ながら多分惨敗。

続編の企画も危ういだろうなあ、、、警察組織の闇を暴くような作品がスクリーンから消えていくのであれば、実に哀しい。

社会派映画なんて既にスクリーンから消え失せ、社会派エンタメまで消えていき、一時の慰安と享楽でしかないアニメばかりが、、、、


コリアンシネマとの格差はひろがるばかり






2024年7月1日月曜日

貫之と定家

 



巨峰は「貫之と定家」に決まっています。
子規以降のアララギ派が如何に力説し、巨峰二人に罵声を浴びせようと、、、すなわち千年に渡る王朝美學を全否定なんて天唾の所業だわ。
写生と称する骨粗鬆症的な身辺雑記みたいな短歌があと一千年生き残るとはとても思えない、、、が、八代集は確実に残る。


水準以上の和歌とは勅撰集収録の和歌を意味する。ざっと三万数千首

凡そ和歌の総数は新編国歌大観によれば45万首ですから、約一割が選ばれている(逆に言えば九割以上は捨てられた)

厳選された和歌の作者は約三千人

単純平均にはなんの意味もないが、まあそんなもんだということ。


歌人として青史に名をとどめたいって渇望は、かの薩摩守忠度が都落ちの後危険をおかし上洛、俊成に対して自選和歌集一巻を託し千載集収録を懇願し、その心映えに報いたエピソードからも実によく分かる(朝敵であるが故に名を憚り不知読人として収録されています)



つまり、勅撰集にたくさん収録された歌人が詩歌史上の最高峰ということになる。(自分で数えた訳ではないが)貫之、定家が其々四百首強(数は拮抗しますが貫之の方が金メダル)

加えて貫之歌集(後世某人により編纂)の収録数は九百首弱だし、古今和歌集の不知読人の和歌の相当数は貫之作と言われますから、推して知るべき。

一方で定家の自選和歌集の総数は三千首弱。

収録率はかなり劣りますから、、、勝負はついてます。


なお、万葉歌人である人麻呂、赤人は別格

なんせ、古今和歌集仮名序の作者である貫之が「歌聖」と称したくらいですから。

アタシも人麻呂については両手をあげて賛成します。


2024年6月29日土曜日

アイオワでのブックバン

 


ブックバンなんて聞き慣れないが、焚書まで過激ではないが禁書運動のこと。

具体的には公設図書館から特定の書籍に追放(貸出あるいは閲覧の禁止)が組織的に行われている。

レッドステイツでよく見られるらしいから、ターゲットはリベラル系の書籍。とりわけLGBT関連が槍玉に上がる。


カバー写真は、あのフィールドオブドリームのワンシーン。

ケビンコスナーは都会っ子なんだがアイオワの片田舎の農場主、妻のエイミーマリガンはさほど有名じゃない女優だが、ストリートオブファイヤにも出演しているエドハリスの配偶者。



あとは、まことに能天気なまでに愛らしい娘と、伝説の野球選手の集合写真


野球映画だとおもわれていますが、、実のところ、レッドだろうがブルーだろうが(アイオワ州はスイングステイツ)アメリカン共通の普遍的な夢や希望、絆等の美徳への讃歌という理解が正しい。



だから、MLBもこんなお洒落なイベントが出来る。


衒学の極みと言われればそれまでだが、そんなことより、アタシとしては一番記憶に残ったシーンはPTAかなんかの会合のシーン。

あの「ライ麦畑でつかまえて」をブックバンにかけようという提案に対して、エイミーマリガンが火を吐くがごとき反対論をぶちあげ、、、、思わず拍手しそうになった(^^)

実際に、主人公のホールディンコールフィールドの社会批判はその内容と口調のエゲツなさもありCAですらブックバンの対象となっている。

おもえばノーベル財団は反体制を理由に迫害されている作家には文学賞を贈るくせに、どうしてサリンジャーにその栄誉を与えなかったのかなあ?

これまた、アタシがノーベル文学賞に冷ややかな理由のひとつ。


さて倭國でもブックバンの餌食となっている作品がないではない。 

対象の作品を殊更にことあげしないが、仮に映倫があれば、R15くらいのレイティングにしたいものだ。

それに誰も騒がないが、岩波新書の日本の歴史(井上清著)なんかはR18でもおかしくない。


アタシがお世話になっている公設貸本屋では、これらは誰彼なしに貸し出しも閲覧も出来ます。

表現の自由は大事だから、コンテンツに全面的にオブジェクションであっても、焚書はあってはならないが、理解力に乏しい読み手に対する教育的指導は欠かせない。



2024年6月28日金曜日

ある「復活」

 




歴史上最大の著名人の一人でしょうが、その彼の知名度は「死後再生」に由来する。
あのまま盗人たちと同列に磔になったしまっただけなら(・・・多分ですが)
羅馬年代史のコラム程度にもならない。
処刑後3日の後の「復活」という事象(本当にあったのかどうかは知りません)こそが、世界宗教への第一歩である。
聖人と言われる使徒たちだって、この「事象」があってこそ、死を賭して各地に布教に出かけたのである。

従って・・・・・彼の「伝記」のキモとは、
馬小屋で生誕を受けゴルゴダの丘で処刑されるまでの30年あまりではなく、
「復活してからの行状」だと思うのですが、内容的にも分量的にも福音書では貧弱と言わざるをえない。
その他のカノンでは、それなりに書かれているものもあるにはあるが・・・・福音書に比べれば、こころ波立つ程でもない。
逆に言えば、あまりになにもないというのであれば創造的創作をやってみようって・・・普通芸術家はそう考えるものだ・・・・・


彼をセンターにした映画作品を思い浮かべています。
総数は多くありませんが、それなりに力作ぞろいでいわゆる「伝記映画」の体裁です。
重要なマクガホンとして彼が登場する作品は、それ以上に有ります。
描き方に多少の視座の差は認められますが、共通して言える事は「復活してからの行状」を描くものではない。
やっぱり、不思議なことだとしか不信心ながらというかなればこそそう思うのです。


その理由を浅学非才ながらつらつら思うに・・・・やっぱり「カラマーゾフの大審問官」なんですよ。
ドストエフスキーは、法王庁なりがよくぞ発禁にしなかったって思うほどキケンなことを書いています。
要するに、教会という体制の中で今頃お出ましされると我々は迷惑ですって・・・
伝家の宝刀は抜かないから宝刀であり、教義の神秘の部分も、現実に見せてしまえば有り難みがない。


しかし、どの世界にも天邪鬼はいるものです(笑)
史上初(知るかぎりですので、すでにあったのかもしれませんが)の「復活後のキリスト映画」の登場


復活(RISEN)


困ったねえ(苦笑)
これ以上のものがない史上最高最大の感動劇なんですが、齟齬感とか違和感とか脱力感とか・・・そんなものしか思い浮かばない。

信心深いのであれば、アマゾンの動画配信サイトにはあります。

アタシは不信心ですが観ました。




















2024年6月27日木曜日

映画化

 



ネタ不足なんですよ(^^)

梅雨でアウトドアが駄目だし、濫読本はアマゾンの配達待ちだし、、、


小説自体は既にネタにしていますから「映画化」とは如何なるものかってお話


柚月ワールドの舞台は広島県の「呉原市」か関東某県の「米崎市」と決まっています。

背景説明からすれば高崎市のようですが、映画化の際には愛知県の米崎市となっています。これはロケーション協力が豊川とか蒲郡だからでしょう。



ストーリーは原作のプロットのまま大きな改変は有りません。

ヒロインの杉咲花が思いの外、、、大根なのはプチびっくり。

脇役も誰一人冴えないし、安田顕(杉咲の上司)が渋く立ち回ると思いきや、あてはずれ

しかし、杉咲が事件の真相を解明するヒントがおみくじに書かれた和歌とは、、、

それも、、、あの「世の中にたえてサクラのなかりせば....」だってえ?!

サクラに意味性を無理矢理もたせる牽強付会の極地とはこのこと。業平だって草葉の陰で(^^)


ある種のカルト宗教団体がからむ連続殺人事件なんですが、三人目の被害者への言及がない、、、

あれは事件じゃなくて事故、、、はないわ


やっとわかりましたよ。

貧弱なプロモーションに義憤の声をあげたアタシが馬鹿だった。

宣伝しても興収はあかんって最初から見切ったのだ。


2024年6月26日水曜日

中山七里ワールド

 



民間人探偵の超絶的推理なんかは最近は流行らない。
密室殺人トリックもネタが尽きたのか、、、限定的
昨今はもっぱら、警察ミステリー。
悪しき公安組織が暗躍し、犯人の多くはご禁制の品物を扱う893にチャイニーズ。

対するは、品行方正とは言い難い警部補クラス。

社会派という程の深みには乏しい。


中山七里


多彩な乱作を売り物にする。

雑多な知識はどこで仕入れたのかね(^^)

アタシより一回りくらいお若いが、雑学には負ける

なんちゃって、一種独特な外連味たっぷりな主人公の造形設定やらプロット。


岬洋介。

父親は検察のエース

本人は、天が二物を与えたらしく司法試験首席合格の傍ら全日本クラスのピアノコンクールの優勝者(ショパンコンクールのファイナリストって凄くありません)

勘当の憂き目なんさ歯牙にもかけず、検事よりもピアニストへ

作者のクラシック音楽の傾向的な趣味には呆れかえるが、コンクールの課題曲にベートーヴェンのピアノソナタの中でも難度の高い32番や21番、、、とりわけ32番なんかをコンテスタントが選ぶかなあ?

コンサートならまだしも、コンクールは減点法ですから難曲を選択する危険な真似はできない。


御子柴礼司(本名は園部信一郎)

触法少年、、、それもサカキバラクラスの猟奇犯が弁護士になり(元893の弁護士が実際におられるそうだから別に荒唐無稽でもない)有罪を無罪にするのは朝飯前。法外な報酬を要求するもんだがら、クライアントは、、、まあ予想できます。

彼もまた少年院時代にベートーヴェンに目覚めたらしき、モーニング音楽は「熱情」


中山七里ワールドの登場人物は、捜査関係者、メディア、法曹界の住人は皆さんユニーク。

かかるが故に、犯人も


司法研修所の教官

検察事務官

捜査一課の警部補、、、、あり得ないとは言わないがあまりにあまり







2024年6月25日火曜日

正史の編纂

 



衒学的なトップがいようがいまいが、業歴の長い会社には社史編纂なんてお仕事がある。
始めると会社の存続の間はやめるわけにはいかないし、辞めてもいいが、世間から小馬鹿にされる。
陽の当たらない姨捨山風なオフィスに、飛ばされたおじさんにおばさん(笑)
まあ、いいじゃないか。
青山いたるところにあり!

まあ、そんなもんで社史なんかロクデモナイが多いが、鑑賞に耐えうるのは、狭い知見の範囲ですが「郵船百年史」くらいから。

なんせ近代海運史そのもの。
しかし、稀に検閲をすり抜けた不都合な真実の記載があったりして、つまらん会社のつまらん社史も結構面白いのです。
多くは、六十年を一区切りに編纂し、十年単位で加算してゆく。
社史すなわち業界産業史と思うくらいの自負心がないなら、ゼロ一銘柄の名がなく(^^)


馬鹿にしたような言い方をしましたが、歴史編纂とは、正統性の証しである。
中国の正史が最たるものであるが、自分が討伐した前政権の歴史を編纂する事で初めて、王権の正統性が担保される。
その前提には、盤石の政権体制があり、不況のドン底の企業なんかはそれどころではない。
明日がしれない状態で、輝く未来に躍進、、、なんていくらなんでも恥ずかしい。


生きているうちに、清朝正史が読めるとおもっていたが、洞察力がなかったようだ(笑)
21世紀後半くらいになりそうだと以前にどっかで書いた記憶があるが、出来ない可能性も相当にありそう。


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話題を変えると、誰が編纂をするんだって基本的な問題
辛亥革命後、袁世凱が正史編纂事業を始めましたが・・・・たぶん頓挫したんでしょう
台湾に逃れた中華民国は「草稿」を発表していますが、正式完成版は・・・どうなったのかねえ
北京政府は、10年ばかりまえに編纂委員会を組織し、
2010年代初めにはリリースすると発表していますが、その後うんともすんとも(苦笑)