2014年6月13日金曜日

洗濯船・トキワ荘・グリニッジビレッジ





文化はある種の集合知によって支えられ、成り立つらしい。
辺境で突然変異的に出没する場合もあるが、
基本は、芸術家と称する社会生活落伍者や性格破綻者の集まりの中で
曰く言いがたい化学変化により「なにか」が生まれる。



洗濯船(Le Bateau-Lavoir)とはパリのモンマルトルにあった安アパート
ピカソが恋人と共にここに住み、モディリアーニ、アポリネール、ジャン・コクトーも出入りした
芸術拠点。

トキワ荘は言わずと知れたクールジャパンの震源地(豊島区)
残念ながら「洗濯船」と違って、いまや跡形もなく、石碑に面影を留めるだけらしい。


60年台のフォークソングの時代は、あのグリニッジビレッジ。
ルーインデイビスも、界隈の友人のアパートを転々と泊まり歩き、
チャンスがあれば、ギター一本でライブに参加し、明日が見えない日々を送る。
たった一枚のうれないソロアルバム(当時ですからLP版)



Inside Llewyn Davis



天才コーエン兄弟のカンヌ映画祭グランプリ作品をこれほどまで粗末に上映するかと
悲憤慷慨するのは蝸牛庵ひとりではない。
しかし、それなりに高踏派ファンのいるお江戸でもまばらな観客。
悲しくなりますが、まだスクリーンが提供されただけでもマシか。



ガキと動物が登場する映画は見ないことにしているのですが、
なぜか、にゃん子ちゃんとは相性が良い。

妻に先立たれ、猫(トント)と暮すハリー教授は、NYのアパートを追い出され、
シカゴへの猫連れふたり旅。
ルーインデイビスも、三毛猫を抱えてグリニッジビレッジを彷徨う。
寒々しい愛惜にみちた風景には、ふてぶてしい素知らぬ風なにゃんこが似合う。
これが、ワンコだと、変な感情移入が異化同化作用を引き起こしあざとくなる。


60年台のグリニッジビレッジが、どんな風だったかは、
マザースキー監督の「グリニッジビレッジの青春」でしのぶしかないが、
モノトーンに近いこの映画の色調でも、当時の匂いが分かります。
そういえば「ハリーとトント」の脚本はマザースキーの手になる。


PPM風に500マイルをハモるシーンがあるし、
ブラザーフォーですかねえ・・・オトコ四人組も登場
どうしようもないブスなオバさんは・・・ジョーン・バエズ(・・まさか)
最後にちょこっと、ボブ・ディランを思わせるシンガーが登場するの









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