2014年6月2日月曜日

本能寺の変「異聞」

信長の末裔なるものが、スケーターであり、光秀の子孫が歴史好きのシステム技術者であり、家康の血脈は・・・・
有名人の子孫探しそれ自体に意味はないが、光秀の子孫が「本能寺の変」の真実を解明・・・と言われれば、多少は心が動く。

正史は勝者の立場に立つと信じる者からすれば、定説のいかがわしさは周知のことだし、フィクション化され易い素材ほど、バイアスのかかった刷り込みがなされる。
このテロルで本当らしいのは、被害者が信長であり、直接の加害者は光秀ということだけで、動機その他は諸説紛々。



怨恨説
野望説・・・どっちもどっちというところである。
裏付け証拠は、皆無だし、唯一、光秀の心象風景を垣間見せる愛宕山百吟に至っては

ときは今 あめがしたしる 皐月かな

これって、改竄がなされ、作成日も数日前後するそうな。
それに、本能寺の変は、六月二日の新月の頃。


定説では単独犯ということであるが、フィクション的には、黒幕が様々いたことになっているし、本当に共犯者の有無は・・・都合の悪い事実は消されるのが常。


結局のところ、この事件で、利益を得たものが「共犯者」という月並みな展開となる。歴史のイフは楽しい(笑)

信長の死亡年齢は、五十前。
秀吉は少し年下、家康はさらに下。逆に光秀は一回り上です。
武将あるいは政治家としての出来ばえは不明ですが、秀吉に比べ子宝に恵まれていました。実際上、その頃は、信長は、代表取締役社長じゃなく、会長職です。
実質、征夷大将軍であり、頂点を極め、野望は、織田一族の末長い繁栄と容易に想像出来ることである。


蜚鳥尽きて良弓蔵せられ、狡兎死して走狗煮らる。


ナンバー2は、排除される・・・・歴史が教えるところ。
無能は勿論、有能だって余計に危ない。
かつて、代々の老幹部を追放し、今風に言えば、年功序列制から実力本位制に
人事制度を刷新した信長です。
非情とも、冷酷とも、合理主義的とも・・・・
優しいだけじゃ、戦国時代は生き残れない。
上に立つものは大変ですが、下も大変。
利口でもバカでも駄目で、中途半端はもっと駄目(笑)


光秀の末裔の唱える新説は・・・当然ながら物証はない。あれば、とうの昔に
抹殺されたでしょう。
以後の展開からすれば、話がうますぎるきらいがありますから、有り気な「仮説」という気がします。
陰謀に加担することは非常なリスクだし、加担しないこともまた同様。
一連の陰謀の中で、一番得をした奴がやっぱり一番のワルってことには、
激しく同意します。

パクストクガワーナの中での、大大名の配置・石高こそに真実が含まれる。
特に外様と言われる大名の処遇が、口に出してはいけない真実を問わず語りに・・・・

河内源氏の末裔にして、足利幕府の支柱でもあり、戦前戦後政治にも舞台のおもて裏で活躍した家系・・・・
長く、国政に影響力を誇示するのが勝った証しならば、この一族こそ。





超一流といいがたい出版社の文庫本
著者は、明智憲三郎さん。
八切止夫や加藤廣の本能寺本よりは上出来ですが、真っ当な版元は袖にしたのか、あるいはなにかリスクを感じたか・・・・

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