生まれてこのかた「ひもじい」思いをしたことがないと、
飢餓の恐怖は分からない。
ヒトザルの歴史では天変地異等により、幾多の大飢饉が生じたが
政治の失態としかいいようのない「意図的な・・・悪意あるいは重過失」は、これらに尽きる。
毛沢東の愚行失態とかスターリンの悪業は、人類史上最悪の時代だと歴史の審判が下るだろうと思っている。
ひもじくてのガリバニズムは、一定の許容範囲だと弁明の余地はあるが、
一方で趣味・性癖の類のガリバニズムも後を絶たない。
誤解を恐れずに言えば、肉食文化に由来する根源的なものと考えざるを得ない。
ウクライナのチカチーロは、52人の女子供を惨殺し・・・・と言われる史上最悪のシリアルキラー。
あのデュセルドルフの吸血鬼・・・ことペーターキュルテンですら、十名弱。
エゲレス国の斬り裂きジャックに至っては、たった五名程度に過ぎない。
しかしながら、最悪すぎて素材としてはハードすぎるのか、スリラーのテーマとなったのはやっと2008年。
被害者の数も44人と慎ましく(笑)
チャイルド44
刊行と同時に・・・正確には刊行前から映画化権が争奪され、やっとこさ映画化され、上映の運びとなった。
原作は、ロシアでは発禁らしいので、映画もスクリーンにかかることはないと思われます。
原作では、ホロドモールと称される飢餓のウクライナでの子供の失踪に始まり、
スターリニズムに翻弄される崖っぷち元エリート警察官がシリアルキラーを追い詰めるってストーリー。
これだけの連続殺人が表沙汰にならないのは不思議としか言いようがないが、
労働者の理想郷であり地上の楽土には「事故はあっても事件はない」・・・という不文律。
そう言えば、東洋の島国は、絶望的なまでに刑事手続に定められた検視制度がお粗末とされ、
年間約14万人もの不審死のうち専門の検視官が検視しているのは1割強に過ぎない。
これじゃ、本当に安全平和国家か本当のどうかよくわからない。
とりわけ火葬だと、あとからってどうしようもありません。
相撲部屋のリンチ殺人
後妻ビジネスの毒婦 ・・・なんかも際どいところでお縄にできたのです。
まあ、そんなことはともかくとして・・・
このミステリーは、刊行と同時にベストミステリーなんかに選ばれたもので、
一応は目を通しましたが、冒頭の陰鬱な息遣い以外さしたる印象はない。
言うほどの傑作かねえ・・・って今回再読しましたが、感想は変わらない。
作者の技量も一発屋なのか、後が続かない(苦笑)
スターリンの時代という状況設定がもの珍しく話題になっただけ。
あんな理不尽な時代に筋を通そうとすれば、いろんなドラマが生まれるのが当たり前
893稼業も人非人の所業だが、女子供までは殺さない。
しかし、政治のダークサイドとはなにもかも根こそぎ奪ってゆくし、
永遠の勝ち組なんかありはしないって教訓的に映画は終わるのですよ。
次なる世界的なベストセラーミステリーは、大躍進時代か文化大革命時代が舞台設定・・・
ですが、どうして誰も手がけないのかねえ?
実際の事件がフィクション以上の驚天動地な世界ですので、作家の出る幕ではないのかもしれません。
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