2015年7月15日水曜日

お江戸の華は・・・


命を張って活躍する職業は尊い(別に職業に貴賎はありません)もんで
映画のセンターにもなりやすい。

かつては・・・

タワリングインフェルノ
バックドラフト
炎のメモリアム

911では、多くのファイヤーマンが犠牲にもなりました。



しかし、消防団ドラマとは・・・これは実に珍しい(笑)
そもそも「消防団」なんて、生き残っていることは知っていますが、
実態的に機能しているとはとても思えない・・・



お話は江戸時代にさかのぼりますが、火事と喧嘩は江戸の華
この時代の消防組織こそ、現代に至るまでの倭国の消防の原風景である。
どういうわけだか、様々な消防組織が林立する


定火消

幕府直属の近衛軍ともいうべき国家公務員で構成される消防組織
年々組織縮小の憂き目にあってますのでどの程度活躍したかはよくわかりません。
お役人のくせに、なかなか威勢がよくて、倶利伽羅紋々を誇示して・・・って
文献にもありますから、そういうような目立ち方だったんですなあ(苦笑)


大名火消(方角火消)

自警消防組織の編成を幕府から指示されていたお大名様がおり、担当地域(方角)が
決まっていたようです。
赤穂の浪人たちが火事場装束でテロに及んだかどうかは定かではないが、
あの刃傷に及んだバカ殿の祖父は、大名火消の頭としては出色の出来だったらしく
赤穂の火消といえば、江戸の評判
そういう連想からのファッションだった・・というのが丸谷才一の説
しかし、人気だったのは赤穂の浅野ではなく本家の浅野って記述もあり、諸説紛々
なんにしも、浅野=火消 には変わりがない。


町火消

質量からしても、消防の要というべきであり、総数は一万人に及んだそうである。
東京消防庁の定員が二万人弱くらいですから、その規模たるや刮目すべき存在
あの新門辰五郎も町火消の棟梁であった。
お上の防火組織は、町家まで助けてくれなかったというのが実情で、いわば自衛組織。
民間活力の最大利用という幕府の統治政策にも合致していた。
この組織が紆余曲折はあったものの・・・現在の「消防団」のルーツである。



消防団員とは、法的に認められた非常勤の地方公務員である。
有事には命を的にして活躍することを期待されているわけに、根っこの部分はボランティア。
働きの割に高禄を食むなんとか議員と比較した場合、釈然としない部分が多い
全国の市町村単位に設置され、その数ざっと八十万人。
職務範囲は、条例により定められるので、消火活動以外に精を出すことも多々あるらしい。


そもそも的に、消防団って若者の役割だよね。大抵は青年団と二足の草鞋
しかし、田舎は少子高齢化。
青年団も壮年団ならまだましで、いまや老人クラブと大差ない。
加えて、職業の俸給生活者化。
土佐の一領具足ならば、有事ともなれば、鍬鎌をほり投げて現場に駆けつけるが、
となり町のクーラーの効いたオフィス労働者なんかが、いざって時に駆けつけられるはずもない。
それに・・・こういうのって多くの企業では想定外ですので
就業規則上認められるような建付けになってないと思いますよ。
ピーク時の半分以下の団員数とも言われていますので、いまや絶滅危惧種
社会の紐帯が切れかかっている証明の一つでもある。


そんな背景もあってか、消防団員が活躍するドラマがオンエアー
消防庁のバックアップもあるようで・・・
でも、TV見ませんから、興味もここまで。












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