2015年7月23日木曜日

悪いチャレンジ 良いチャレンジ


三百ページにも及ぶ「正式報告書」を精読することは大儀だし、
まずもって知りたいことは・・・

何が起こったのか?
何故起こったのか?
誰が起こしたんだ?
だったらこれからどうするんだ?   ということに尽きるのですが、

予想通り、隔靴掻痒の感があり、真相は明らかになったとも言い難い。

実際に何が起きたのか。「粉飾」ですか?「不正」処理ですか?「不適切」処理ですか?
報告書的には「不適切」という表現で統一されていますが、メディア的には「不正」表現が
散見されますし、はっきりと「粉飾」とも・・


そもそも的にはこの「調査委員会」なるものは何なんでしょうか?
日弁連の公表資料によれば・・

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企業等が調査の精度や信憑性を高めようとするため、
弁護士に対し内部調査への参加を依頼する「内部調査委員会」

経営者等自身のためではなく、すべてのステーク・ホルダーのために調査を実施し、
それを対外公表することで、最終的には企業等の信頼と持続可能性を回復することを目的とする、
企業等から独立した委員のみをもって構成され・・必要に応じて具体的な再発防止策等を提言する
タイプの「第三者委員会」
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という2つのタイプがあるようですが、実際上は白黒がきっちりとつくものではない。

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・・日本弁護士会の定めるガイドラインに準拠した、東芝と利害関係を有しない・・専門家から
構成される第三者委員会を設置・・
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報告書にはこのように記載されています。
素直に読めば「日弁連のガイドラインに準拠した第三者委員会の設置」ということになるのですが
後段の方では・・・

東芝からの委嘱を受け、東芝のためにだけに行われ・・・
第三者に依拠されることを予定せず、第三者に対して責任を負わない。
日本語により作成され・・英語版につき何らの責任も負わない


形式・手順だけは第三者委員会を標榜しながらも、結果部分は内向きの報告書ということになります。
それに今後予想される海外も含めた訴訟対応に相当神経を使っています。


何が起きたのかは克明です。
しかし、これ以外に何も問題になることがなかったということを表明するものではない。
あくまで「委嘱された調査対象の中で起きた」ことという限定付きです。


発生理由は・・・チャンレンジですか(苦笑)
一般的な前向き表現が一夜にしてネガティブ用語になったのはお気の毒としか言い様が無い。
利益追求は企業の本能ですから、報告書ではそれを咎めてはいない。
その方法論を咎めているのですが、
記者会見では「誰が・・」ということも含め質疑が咬み合わないっていうか、お座なりです。
サクラ質問とまでは申しませんが、事前の答弁練習の範囲内に終始したようです。
本当にメディアは勉強不足です。


だからこれからどうするんですかって部分も「一般的」
眼から鱗って提言はありませんでした。


別にエキセントリックな提言でなくともいいのですよ。
今回の「提言」に限らずですが、心底理由なり責任なりを自覚しないと真に血肉にならない。
今日の東京市場は、全体の地合いも悪いのですが、この社の株価もピリッとしません。
チャレンジが足らないって、市場は感じています。

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