2015年11月16日月曜日

杭の数が足りないのがなんとかプロジェクト

歴史上最大規模の美術品に対する冒涜行為はナチスに如かず。
略奪した美術品の数は、数十万点。いまなお、二割程度が行方不明。
簒奪された美術品の行方を探すことも大事だが、本来の所有権者に返還されるべきものではあるが、
これがまた極めて難度の高い作業で、遅々として進まない。
返還を要求する個人は高齢であったり相続人であったり・・・時間が経つほど解決は困難だし、
善意の第三者を標榜するその美術品を占有する者は、必ずしも最終解決を望んでいない。

たまたまですが、

簒奪された美術品ハンターもの
クリムトの名画を取り戻そうとする法廷闘争を展開する老女の話

が同時期にスクリーンにかかります。
前者の日本語版が「ミケランジェロプロジェクト」
なんともベタなタイトルですが、実話がベースらしい。
ビッグネームな俳優が総動員ですが、興行的には苦しいみたいで、オスカーレースの出走も危ない。
後者は「黄金のアデーレ」
オーストリアのモナリザといわれるクリムトの傑作をめぐる物語
名優、ヘレンミレン主演の小品ですから、安心して観れます。



略奪美術品問題は、国際間でも頭の痛いテーマで、須らく原産地に返還すれば、先進国の美術館は空洞と化し、
原産地では原理主義者の手で破壊あるいは横流しされる。
パブリックユースだということで、人類共有遺産として保護し、後世に伝えるシステムを検討する方が気が利いている。
お馬鹿な記憶遺産問題で存立の危機にたつ国際機関が罪滅ぼしで知恵出しすればいいのですよ。

因みに、このミケランジェロプロジェクトですが、ちょっと勘違いしてました。
2004年のポーランド映画に「ダビンチプロジェクト」ってあるのです。
登場する名画はあの・・・白貂を抱く貴婦人
ポーランドの至宝ともいうべきダ・ヴィンチの傑作。
それが強奪されるっていうショッキングなストリーリー展開に、美術品の関わる犯罪テーマも盛りたくさんに・・・
どうも、ミケランジェロよりダ・ヴィンチのほうが面白そうですが・・・




なんとかプロジェクトって、安物の都市開発名称みたいで、食指が動きませんし、なんとも怪しげな印象すら・・・
ビッグネームだけに誑かされていけませんってこの際ですからキッパリ。

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