2015年11月28日土曜日

世相を切れば(2)





今年の流行語だか漢字一字だか(一昨日のブログ)で書き漏らした後発的事象


原節子が逝去した。
敬愛する小津の後を追うように映画界の引退。
半世紀にも及ぶ隠遁
小津の墓所は円覚寺にあり、墓石には「無」とだけ刻まれているそうです。
原も、同じような墓所が似つかわしいのかもしれません・・・・
刻むに一文字



月並みかな(苦笑)
今年の感じ(漢字)って言われれば、これにしよう。
語義は様々ですが、

度をこえないようにおさえる
言動にけじめをつけて則を超えない  といえば、わかっていただけるでしょうか?


いいえ そうなんです わたくしずるいんです 


東京物語での紀子(原節子が演じた未亡人役)のラストあたりのセリフ・・・・・
戦死した夫の両親が上京し、その後義母の突然の死
葬儀のあと、義父とのしみじみした会話で、この台詞のあと、こう続きます


お父さまやお母さまが思ってらっしゃるほど そういつもいつも昌二さんのことばかり考えてるわけじゃありません
このごろ 思い出さない日さえあるんです
忘れてる日が多いんです
わたくし いつまでもこのままじゃいられないような気もするんです 
この ままこうして一人でいたら いったいどうなるんだろうなんて-
夜中にふと考えたりすることがあるんです 
一日一日が何事もなく過ぎてゆ くのがとっても寂しいんです 
どこか心の隅で 何かを待ってるんです
ずるいんです

いいえ ずるいんです
そういうこと お母さまには申し上げられなかったんです


美貌だけの大根役者って一体誰が言ったのだ。
朗読してみればわかるが、すごく難しいセリフなんですよ。
さらりとこの映画を眺めているだけならば気が付かないのですが、台本を読み、自分で演じるって
気分を出せば・・・・難易度が高い。




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