2016年5月31日火曜日

歴女の果ては・・・


思い立って「小屋」に足を運んだのがしばらく前。
まばらな観客席を見るに一瞬ドキッとした。




鉄女(鉄道とかSL好きな女性)や、歴女(歴史好きな女性)の存在は知らないわけではないが、
かような「刀剣女子」までいるのか・・・・
鉄と日本史の幸せな融合による化学変化の果てには「日本刀趣味」ってなるほどって思うのですよ。
しかし、ガラスケースの向こうに妖しく輝く日本刀を陶然と眺めているだけならいいが、
ホンモノが欲しい(脇差し程度ならお小遣いでなんとかなる)なんて域まで行くとかなり怖い。
許可無く持ち運べば銃刀法違反なんですよ・・・
何がブームの原因かよくわからないが、聞くにこんなレベルの影響だそうな・・・

(リンク映像を削除した

まあ、食べることと着飾ること以外に興味を示さないようなレベルに比べればはるかに良質な「趣味」なんで
同好の士としては嬉しい限り・・・だが、ともに日本刀に熱く語ろうなんてつもりはまったくない(苦笑)


日本刀の切れ味が本当に物凄いものなのか、
更に連続使用に耐えうるのかについては実のところ懐疑的なのです。
伝説として伝えられる切れ味は、須らく荒唐無稽に近く、リングでの一本勝負ならいざしらず
戦場で実用的に使用できたのかどうかは疑わしい。
史書によれば、剣豪将軍と言われた足利義輝が、部下の謀反にあった際、手持ちの日本刀をとっかえひっかえしながら
奮迅した書いてますから、ふたりも切れば、人膏で役に立たなくなるってことは本当らしい。
それに、当時の武士ほどの技量もない我々、いくら名刀でも機能を最大限発揮できないって可能性もあるものの
防具(鎧兜)ごと唐竹割りって・・・やっぱり嘘っぽい。
当時の戦いは、太刀は棍棒のようなものであり、馬から叩き落とし、脇差し(鎧通し)でグサリってやり方だった。
欧陽脩に有名な「日本刀の歌」を読んでも「絶海の蓬莱の地から到来した美しい守刀」というイメージで
武器としての素晴らしさを詠じているわけではない。


ドキュメンタリー映画のジャンルに属するのだろうが「日本刀」
名刀、妖刀のたぐいの役にも立たない雑学はヤマと知っているし、職業柄製法についても多少の知識はあるが、
刀剣の研ぎについては無知であり、これは実に面白い。



本阿彌光州という研師が登場します。
父親の本阿弥日州氏は人間国宝であった。
珍しい苗字なのですが、刀剣の研ぎ、拭い、目利きの三業を家職としたのが本阿弥家で、
代々足利家の御用を勤めていた。
家職の傍ら、刀剣の製作工程に欠かせない木工、金工、漆工、革細工、蒔絵、染織、螺鈿なんかの工芸技術にも
たけるようになり、さっそうと登場したのが分家筋では有りますが、本阿弥光悦。
歴史の星霜の中で、宗家や分家の多くは絶家となり、この本阿弥家が家業を平成の世でも守っている。




0 件のコメント:

コメントを投稿