2017年5月17日水曜日

ジャックリーチャー





軍規維持のために様々なシステムを保持するのは国際常識である。
が、非常識な存在である自衛隊には、欠落したピースが多々ある。

軍事刑法典
軍事法廷
軍事刑務所

憲兵に似た組織は有りますし、規律違反を咎める規則はあるが、
人事処分にとどまり、刑罰にまで至らないのは通常の組織と同じである。

しかし、明確な自衛の為の軍事組織が出来れば、それは通用しないし、本当は今だって必要とする。
政権与党の憲法改正案には、軍事法廷設置を明記していますが、
戦前のように「軍事司法権」を容認する程非常識ではない。
刑法典や司法組織は、罪を咎めると同時に無辜を護るものでもある。
いったい、鉄条網の中ではなにが起きているのか、皆目見えないのは困った事・・どころではない。
実際に同じ公務員とはいえ、教職員との比較だが、懲戒処分の情報開示に乏しい。


MPと言えば、ミニタリーポリスの事。
自衛隊では「警務官」と称するが、刑事訴訟法にも定められた司法警察員のひとつである。
当然ながら、属人主義と属地主義で職務権限に縛りがあるはずです。
その権限は、自衛隊施設内に限られ、また自衛隊員にのみを対象とするはずだが、
戦前の「憲兵」なる存在は、どうも際限なく権限があったように見受けられ、国民にとって怨嗟と恐怖の対象だった。

軍人は軍服の襟記章の色で兵科の識別ができたらしいが、憲兵は「黒」
いわずもなが・・・ってことです。

職業軍人を志しても、憲兵に最初からなろうってまずもって考えがたく、
甘粕正彦のように、怪我のために歩兵をあきらめて憲兵に転じたような例が多々あったと予想します。
そんなこんなな屈曲した精神構造が、逆説的に憲兵向きだったのかもしれません。



軍人の父、フランス人の母との間にベルリンで生まれ、ウエストポイント出身。
志願して軍人となり「勲章コレクター」と言われるほどの功績があった以上、殊更になりたい職種とも思えないが・・・
多分上司に反抗してMPに飛ばされたんだろうし(その辺の経緯は、どっかに書いてるかもしれないが、全作読もうって気にはならない)
とどのつまりは除隊してホームレス状態。
ありていに言えば浮浪者ですが、本人は「放浪者」と称する。

白人で金髪の大男・・・だと原作には書いてます。
トムクルーズのイメージとは、まったく違いますなあ。
似ているとすれば、MPが対象とする被疑者は、職業的な人殺しであり、そのトレーニングを徹底的に叩き込まれており
そん所そこらの警察職員よりも高度な知性とフィジカルな意味でタフでないとつとまらないという点は、けだしそのとおり。

英国人作家がどうしてこんなキャラクターのミニタリーミステリーを書くつもりになったのかに興味があり、
処女作を読み出したが・・・・

早々に、ジョージア州の田舎町で財務省の捜査官であるジャックの兄の射殺死体が発見されるって発端。
こんな調子だと、シリーズ化した際の物語の発展が難しくなるよなあ・・・というのは余計なお世話か(笑)
肩書からしてストーリー展開は想像出来ます。

ハードボイルドの常として、ヒーローはなぜか美人にもてる。






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