2017年5月1日月曜日

泉屋博古



功なり財を成せば、美術品の蒐集なり大掛かりな築庭と相場が決まっている。
名だたる企業(集団)で文化の香りが何もないと(面と向かっては言わないが)小馬鹿にされるのがオチ(笑)
しかし、審美眼もないくせにカネ任せに美術品を買い漁ると逆にメンツを失う。
誰とは言わないが、でも言ってしまいましょう(笑)

医師ガジェットの肖像
ムーランドラギャレット

合わせて200億円をはるかに超えるが、いまや海外再流出。
それも個人蔵らしいので展覧会で目にする事も難しくなる。
あの「ひまわり」にも批判的なのですが、まだ国内の美術館にあるだけマシ。



先日藤田美術館が、蒐集品を売り立て望外の値段がついたらしい。
蒐集品も適宜入れ替えて質量の充実を図ることは大事なのですが、
今回は老朽化した施設改築費用の捻出だと言うから泣けてくる。
かつての藤田財閥も見る影もない以上やむを得ないが、ほかに手はなかったのかねえ。
チャイナマネーが買ったようだし、流出した古美術はやっきになって買い戻していますから、
二度と帰ってこない。
たった300億円(実際の改築に必要な資金ははるかに少なく、予想外に高く売れたもんで売りたくもないものまで売ってしまったってこと)
不要不急な公共工事を辞めればなんとでもなる。
中華文明の精華たる古美術はそれ自体に戦略的価値があるのです。
権力の正統性とは「富力や軍事力」ではなく「三種の神器の有無」にこそある。
広大で立派な博物館でも中身が貧弱だとねえ・・・

さように考えれば、かの中国青銅器コレクションで知る人ぞ知る美術館なんかは
チャイニーズ垂涎の的
売り物でもないし、売り飛ばすほど落ちぶれてもいないが、有事ともなれば国策に協力はできる。
何代か前のご当主の趣味だそうですが、
家業は銅精錬業ですから、必ずしも個人的な嗜好だけでも無さそう。
大阪の此花にあった事業所の銘板は御下命で古青銅器と同じ成分値で作らせたはずだ。
社名も事業所名も変わってしまったから、あの銘板も行方不明・・・ならこんな悲しい事はない。





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