2017年5月26日金曜日
九条第3項か九条の2か
どちらでも同じってことじゃなくて、法規の体系としてどちらが正鵠かという議論である。
しかしながら、どっちにしても・・・・少なくとも憲法学者の言うように「定着しているものをわざわざ書く必要がない」という
意見よりはましだ。
昨日まで「自衛隊は違憲」と言っていたと記憶しているが、定着していることと違憲であることは同意義かしら(苦笑)
法律は体系的なものであり、明確に構造化するために「箇条書き」という方法をとられるが、
だらだらと書き並べればいいってもんじゃない。
そこで
章
節
条
項
号
の体系で構造化されるのが、法律の文法。
憲法だと・・・
第一章(天皇)
第二章(戦争の放棄)
第九条
1項(この項立ては、特に1項と書かないのが通例)
2項
第三章(国民の権利及び義務)
法規のコンテンツの大きなかたまりが「章」であり、その中身の分類が「条」
項とは「条文」そのものであり、特段「条」が複数あることを必須とはしない。
条自体、文章が単数でも複数でもよくて、前段・中段・後段、本文と但し書きに別れることもある。
項立てが別になれば、当然ながらコンテンツとして別物を記述していることになる。
第九条1項は「戦争や武力行使の放棄」であり、2項は「1項のための戦力不保持と交戦権の否定」だとされる。
いろんな解釈があるが、パリ不戦条約(若干の留保がありますが大日本帝國は批准しています)の内容なり解釈や、
その後の国連憲章からすれば国際常識的に「自衛戦争は否定」されません。
前文にも書かれているように「にもかかわらず否定します」って制定審議の過程で公言した以上、
リアリズムに縁遠くなっちゃったということですから、現実に即した形にしましょう・・・ということが憲法改正の背景。
どちらにしても「自衛権或いは自衛力のための組織なり装備は憲法の認めることろ」ということを言いたいだけですので
どっちでもいいといえばどっちでもいいのですが・・・
どっちが(法律的に)すっきりするかな?ってことと、どっちが(政治的に)納得しやすいかということですし、
本音を言えば、字句をこね回すことが王道とは思っていませんが・・・
現行第九条を加筆修正することより生じる神学論争よりも、条の追加のほうが簡単で単純そうですし、
第九条全体の「趣旨」からすれば、3項を追加することは歴史的文脈からしてもいささかそぐわない。
如何に反日派でも文句がいいにくい書き方例をご披露すれば・・・
第九条の2
武力行使が発生した場合において、国際社会が平和と安全の維持に必要な措置をとるまでの間、
個別的又は集団的自衛権の固有の権利の行使を妨げられるものではない。
これは国連憲章第51条の引用であり、これに反対するってことは国連平和主義への叛旗ってことになります(笑)
自衛権を行使するためには当然にそのための組織や装備、諸法令は必要不可欠な合憲的存在となり、
ことさら「自衛隊」なんて明記しちゃいますと将来「国防軍」(自民党草案の表現)に改名にしずらいですよ。
蛇足ですが、法律の改正の場合の条文の追加削除は、なんとか条の2とか空条文にするのが立法テクニックです。
繰り上げ繰り下げなんかすれば、実務上の混乱もおびただしい。
見たことはないのですが「ウンチャラ条の2の2」もありえるらしい・・・
社内規程も本来はそうなんでしょうが、所詮は管理部門のおもちゃみたいなところもありますので、多くは繰り上げ繰り下げ方式のようです。
結果、関連規程の修正漏れが相次ぎ・・・・
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