2017年8月10日木曜日

されど「銘柄」





坂口謹一郎先生の「日本の酒」
アップデートされた酒情報を提供するものではないが、
日本酒の古典的知識を知るには最適だし、知らずにポン酒の薀蓄を
訳知り顔に言うべきではない。
先生によれば、日本酒の銘柄は文明年間に遡るらしい。
数えればわかる事だろうが、結構な数。
然し乍ら大半はブランディング戦略に失敗し、あるいは無頓着で
地方に埋もれたまま。


月島通りと勝鬨橋の中程の居酒屋さん。
特段おすすめはしないが、店内狭しに掲示された純米酒。
よくぞここまで蝸牛の知らない銘柄ばかりを(笑)とかなんとか、昔の出来事。


銘柄一覧なんぞを眺めています。
多くは漢字二文字あるいは三文字
縁起良さげな良き漢字が使われますが、それは当たり前。
それなりに由来やエピソードが有り気だか、感じは掴めるが委細までは解らない。

選挙に勝てば「當選」を贈り
右翼に詫び入れる際には「尊皇」(最近廃業したかな)
お孫さんが産まれたオーナー社長への手土産は「初孫」
結婚まじかな部下に「華燭」
長寿の果てのポックリ死には「大往生」..流石にこの銘柄はない。

なかには、

片仮名表記(モーツァルトなんてどんな味かねえ?)
仏蘭西語(ワインとの親和性?)

もあります。
意味合いたるや、ハッキリ言えば意味不明。


これ見よがしになあやかり銘柄(大河ドラマや朝ドラ)は、
個人的に好きにはなれない。
地方の著名人銘柄も、あやかり系。
呑む前からご遠慮したくなり。

風俗や著名地名なんかは月並みですが、地酒らしい。
天文気象名辞は、蓋し和風であり、風韻を感じる事もある。


個人的には酒の味を前提に四文字熟語的がいい(^^)

雨過天青
天壌無窮
白虹貫日
秋霜烈日
疾風勁草







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