2017年8月28日月曜日

耽美 倒錯 頽廃 官能



http://mycinemakan.fc2web.com/movie2/best100a.htm


映画なる芸術形式を成り立たせる要素は繰り返しては書きませんが、
その芸術形式が描くべきものは繰り返し書きます。
しかし、これらの何れもが抑圧や禁制の反作用として出来するものであり
昨今の様になんでもありともなれば、今更スリリングに描きようもない。

散文的に「至上の美、反規範的言動、世紀末的廃墟美、上品な淫靡さ」を描いても
サマにならない。
従いそういう時代の産物に浸り切るしかない。


ルキノヴィスコンティ


赤い貴族ですから、オペラの演出や映画の監督はある種の趣味であったと
思われます。
己の美意識をカタチにしたいってだけ思ったのですよ。

もっとも、映画史的に素晴らしいのは「赤い時代」のネオリアリズムな作品群。
とりわけ「揺れる大地」は...まあ世の中メクラさんが多いのでしょう。
キネ旬歴代ベスト(上記リンクサイト)をみましても、、、(嘆息)



家族の肖像




彼の死後岩波ホールで公開され社会現象となった。
広からぬ会場が連日大盛況で、当時の支配人高野悦子さんによれば、休む暇なく、、、
遺作だと勘違いまでされ、初めて彼の全仕事が評価されるに至った。
その年の外国映画賞は総取り。
貧しくとも涙や笑い、流した汗に友情なんてクサイ芝居はもういい。
手が届かなくとも本当の贅沢を味わいたいっていう時代になったのです。


回顧上映ですから、足を運びました。
79年のロードショー以来です。
しかし、こんな映画だったのかね?って当時長い時間階段に並んだ
若者たちがいま観れば同じ感想を持つだろう。
観たときの年代により異なる印象を醸し出せる作品群こそ真の傑作!

改めて感じ入るに

老教授の自宅に土足で踏み込んでくる有閑マダムが、シルバーナマンガーノはいいとしても

母 ドミニクサンダ
妻 クラウディアカルディナーレ

の二人はノンクレジットだったのか!
カメオじゃありませんよ。
物語の重要なモチーフです。
これからしてもなんとも贅沢なって感じ入る。








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