2017年8月18日金曜日

戯曲こそ最高の素材



古典劇は一旦横に置きます。

文藝なるものの王位にいつまで小説が居座るのかね?(^^)と言えば
毎度の辛辣な物言い。
ベル薔薇が宝塚の舞台に登場した際の非難轟々。
いまやコミック原作に異論を唱える向きは皆無だし、映画の原作はコミックがセンター

しかし、近代戯曲こそ名作映画創造の近道。
映画のコアコンピタンスは、

スジ
ヌケ
ドウサ

つまり「シナリオ、カメラ、役者の演技」で決まる。
さすれば、舞台劇の映画化が如何に手っ取り早いがが解る。
小説のような膨らませたり刈り込んだりする手間も要らない。
演技派(舞台俳優は演技派に決まっている)集めて、巧みな焦点深度でカメラを回せば
緊張感溢れる空間のなか、蝸牛庵が監督でもサマになる。
多少ヒネリを入れたければ、バックステージ風にあしらう。

舞台劇の映画版を抜きにすれば、ハリウッドの風景は貧相だ。
どっちかと言えば、NY派がブロードウェイなんかの人気作品を
素材にする。
いちいち事例を上げればキリがない(^^)

アメリカンはロクな文藝がないから、戯曲のステータスが相対的に高いように
思えます。
高いステータスを勲章にハリウッドでシナリオを手がければ、
豪邸が買えるし、ムービースターをトロフィーワイフに出来る。
有名劇作家と言えば、ナンチャッテ、テネシーウィリアムズにアーサーミラー
然し乍ら、後者はどういう訳か文庫版が無いもので
あの「セールスマンの死」は名前しか知らない。


セールスマン


イラン映画です。
今年のオスカー作品(外国語作品賞)
ノミネート作全体を比較検証してませんが、印象からして
入国禁止の憂き目で同情されたのかも?


素人劇団が「セールスマンの死」を上演すると言うお話と
主演夫婦に突然襲いかかった災厄がクロスオーバーするある種のバックステージもの。

近隣開発でアパートが倒壊の危機に瀕した為、止む無く引越し
前の住人の荷物が放置されたまま。
ある夜、前の住人をたずねて来たらしい男に妻が襲われる。

不審な前の住人?
訪ねて来たのはだれ?
芝居どころではなくなった夫は真相究明に奔走。

サスペンスの要素も持ち込んで、受け狙いな作り方。


(一旦ここまで)

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