年間に洋画だけでも数百本が公開され、
その中で「人生の最後の一日に見るに相応しい映画」を選び出すのは至難の技。
プロ観賞家を自負する以上、目にさえとまれば、目利きに自信有り(笑)
しかし、多くは目にさえ止まらず、消えてゆく予め失われた名画達よ・・・・
いかなる偶然かはたまた必然かご紹介いただいた一本の映画。
これは凄い。
プロ目線の琴線に触れるしつらえ。
さすがに期待を裏切らない・・・っていうか、大抵は見る前に映画評は出来上がってますが、
総当たり外れはない(笑)
欧州の辺境の地。
遅れてきた革命の波は、可憐なカーネーションの花々を咲かせた。
七十年代。奇跡的な革命の成就。
しかし、咲く花の陰のそれ以上の踏み躙られた草莽の花々・・・・
踏み躙られる現場に立ち会うことのなかった焦燥感あるいは罪悪感
五百年の平和の中で鳩時計しか生むことのなかった地に生きる高校の哲学教師。
怒涛の地に立ち止まる・・・かなって予感でエンドマーク
なんか、キャッチコピーみたいですが・・・しかしひどい原題(笑)
リスボンへの夜行列車 ・・・だとか
メルビルの遺作「リスボン特急」を思い出してしまった。
フィルムノワールの巨匠も、アラン・ドロンやリチャード・クレンナは使いこなしていますが
美しい名女優(カトリーヌ・ドヌーブ)は使いこなせない。
今回は、デンマークの巨匠。
欧州映画界の名優の大蔵浚えみたいなオールスターキャスト。
リスボンて、こんな街なんだ・・・
アラン・タネールの「白い・・なんとか」って映画のシーンを微かに記憶していますし、
敬愛するオリヴェイラは、ポルトガル人。
彼の映画によく登場するシーンも見られます。
あのカルチェラタンの街頭に出遅れた青年には・・・
時よ止まれ!
しかし、ミステリアな過去探しは、主人公にとっては
失われた熱情と悔恨を熾火のように今を生きる・・・ってことかな。
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