2014年10月26日日曜日

原作本は如何に換骨奪胎されるか?



マスコミが大騒ぎをする割には構図としては貧相です。
金額もしれてます。
無謀、軽はずみ、無定見な投資や融資による巨額損失のほうがはるかに「犯罪的」である。


奥村彰子:894百万円
大竹章子:210
伊藤素子:130

中流家庭以上の平凡な銀行員がオトコに貢ぐって風景がそそったのでしょうか?
踏まれてもついて行きます下駄の雪・・・って最近は流行りません。
判決の量刑を見れば、この手の犯罪は「一億円=懲役一年」のような感じです。
違法収益は没収ですので、くすねたオカネの行方は厳しく追求されます。
ギャンブルで蕩尽しましたって言い訳で、ムショで数年我慢し、
出所すれば、富裕層なんてことは現実的にはありえない。
最近は為替管理が緩やかになりましたから、海外に移して・・・なんて(笑)

どれもこれも、最近の大和撫子にはありえないような「純朴」な犯罪。
大竹のように「秘密情報部員」ですって騙されるのは、まずありえない
伊藤の場合は、海外逃亡ってところが当時としは新機軸。
奥村は、六年間も千回以上の偽造出金!昨今の銀行の内部統制ではいくらなんでも・・・

角田光代の「紙の月」が名女優で映画化されるらしい。
TV版もあったらしいが、縁遠い蝸牛庵には遠い世界。
原作は、奥村をモデルにしつつも、海外逃亡のモチーフを伊藤から借りている。
作品に膨らみを持たせるためには、リアリテイのある脇役の働きが大事


自己目的化した節約の鬼のような元同窓生の主婦
格差婚が家庭を崩壊させる大学時代のボーイフレンド
放縦な浪費癖から離婚した友人女性


いずれもがお金との付き合い方を間違えて「火宅化」しつつある・・・
たかが・・・っていいたいが、されど である。


金は天下の回りものとは慰めの寸言であるが、特段あまねく回ってくるわけではない。
お金でなんでも買えるって、反撥を呼ぶ物言いだが、一旦の真実を含むがゆえに苛立たしい。
だから、愛があればお金なんて・・・甘ったるちい世間知らずな一言に紅涙を絞る。



さあ、監督はこの小説をどう料理するのか?
部活を辞めた桐島君なんて映画を作ってますが・・・どうもねえ
予告編を見る限り・・・プロ鑑賞家は、予告編の嘘を見抜くのが上手いのです。
登場人物関係を見るにつけ、原作の膨らみや奥行きには欠けそうな印象。
そうは言っても、主演が宮沢りえ。
彼女一人でも、2時間引っ張れないことはないし、
聞いたこともないモントリオール映画祭の受賞作品よりもマシだとまでは断言できる。
あの大女優は、どうして愚作ばかり選んで出演するのかねえ?













0 件のコメント:

コメントを投稿