2014年10月20日月曜日

虚実皮膜の間





毎度の台詞で聞き飽きた?・・・でも芸術性の真理です。

この映画は「実話に基づくフィクションです」・・・なんて字幕から始まる。
一体どこが「実」でどう「虚」を塗りこんでいるのだ?
彼女はレンガ職人の父(その後事業に成功し、富裕層の仲間入り)の次女であったが、
家族の反対を押し切り、女優稼業へ。
最後の作品が「上流階級」
ここまでは史実そのもの

さて、アルジェリア紛争の苦境にあったフランスがモナコ公国を簒奪しようとしたという
史実は確認できない。
したがって彼女の一世の大芝居で国家の危機を救ったというのも疑わしい。
同時に、ド・ゴール暗殺事件があったと映画の中で出てきます。
ジャッカルの日のモチーフでもあるのですが、ジャッカルによる未遂事件は闇の中。
でも「プティクレマール事件」は本当にあった。
そのころ、ヒッチコックがモナコまで本当に足を運んで説得したかどうかは不明ですが
映画「マーニー」の主演を強く希望したことはどうも本当らしい。
結局、ティッピ・ヘドレン(映画「鳥」の主演のブロンド)の主演となりましたが、
相手役は英国情報部員役の暑苦しいエゲレス男優であったことは映画の内容通り。

つまりところ、このフィラデルフィアのブルジョア家庭のオンナは
グレース・ケリーとモナコ公妃の二つの人生を演じきり、82年に自動車事故で死亡した。
本当に彼女が運転していたかどうも虚実皮膜の間のこと

ニコール・キッドマンは名演です。
最後のスピーチのシーンは、多分何かと語りぐさになります。
彼女って、トムハント役のカルトにハマった男優と離婚してから良くなりました。
作品選びも演技も・・・
オスカーにゴールデン・グローブに、そうそうゴールデンラズベリー賞にも・・(苦笑)

離婚後の第一声が「これでやっとハイヒールが履ける!」
オンナにとっての「ハイヒール」とはなにかってよくわかりますねえ(笑)


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