2015年1月31日土曜日

ゴーストペインター

偽作者は何時も何処にでもいる。
被曝二世らしい難聴の作曲家のスキャンダルは、未だに話題になる。
しかし、文筆の世界、とりわけ物書きを本業としない政治家、タレント、アスリートの著作はまずもって、代作者がいる。
音楽にしても弟子が代理作曲するのは当たり前。
学者先生の論文も然りとなれば、真作と何が信じられるのか?
かのモーツアルトさんのレクイエムだって、某貴族の代作依頼品。未完成のまま彼が逝去したから、表沙汰になっただけである。

ところで、絵画世界は贋作者は横行するが、代作者は寡聞にして聞き及ぶ事は少ない。工房システムだと親方の名前で世に出るが、これはそういうことだということで、代作という事でもなさそう。
詰まる所、実に面白いと思うのは、芸術形式で偽作の方向性が違うという事実。普通の偽作噺なんか面白くもなんともないが(笑)


ポップアートの嚆矢というべき、ウォルターキーンの大きな眼の少女は、一世を風靡したが、実は妻のマーガレットの作品だった。60年代始めは、ダイバーシティとは無縁で、嫁しては夫に従う時代。日曜画家ですらない夫だが、舌先と度胸だけのマーケティングの才能には恵まれ、セレブの一角に名を成すに至る。
しかし、嘘に耐えられなくなったマーガレットは、実作者であると裁判に訴える。なんともまあ抱腹絶倒な公判風景。
エイミーアダムスは名女優さんでもないが、不思議と作品に恵まれ、クリストフヴァルツは達者な演技で安心して見てられる、ティムバートンワールド。


これは必見です!
マーガレットは、著作権が欲しくて裁判に訴えたわけでもない。ダメ夫の奮闘がなければ、ビックアイズな作品は世間に出る事は無く、余生を好きな絵を描いて過ごすこともなかっただろう。

そう言えば、あの代作作曲家は、メディアで売れっ子らしい。
万事塞翁が馬なんですなあ(笑)

http://eiganetabareyokoku.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_8aa/eiganetabareyokoku/big-eyes-1st-photo_01.jpg

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