2015年1月26日月曜日

ブライアン・ミルズ、あるいは「96時間のレクイエム」





彼の「職歴」が明確に語られたかどうかは・・・三作通じても明確ではない。
第三作で、敏腕刑事は「経歴不詳」であることを捜査陣に説明するにとどまる。
しかし・・・CIAの元エージェントであったことは・・・

卓越した「ウィータボーディング」の腕前からも明らかである。
そういえば、デンゼル・ワシントンも、ある映画で、得意気にこの「拷問」の
効果的なやり方を説明していました。
たしか「デンジャラス・ラン」という邦題で、元CIA工作員の役だった。


この「拷問」の効果性は、簡単且つ速やかな溺死感覚に誘導できる点にあり、
通常の苦痛を与える拷問では実演できない「死への恐怖」体験にある。
事前の十分な訓練をしていないと簡単に溺死する錯覚に陥り、
死の恐怖で短期間に自白を強要できるとされている。



彼の「96時間」シリーズは、お手軽なアクション映画だし、
家族との愛情物語ってモチーフもあり、三作共大ヒットしました。
第三作で、別れた妻が殺されてしまったので、愛娘との家族愛だけじゃモチーフとして弱い。
娘さんは妊娠したようですので、元CIA工作員が可愛い孫のために大活躍・・・じゃねえ(笑)
残念ながら、これで打ち止めでしょう。


この「尋問」方法は、スペインでの異端審問での自白強要方法を嚆矢とするようですが、
さすがに効果的な方法であったらしく、あちこちで採用されたと言われています。
しかしながら、実際に登場する事例は少なく・・・

あの傑作「ゼロ・ダーク・サーティ」でも拷問シーンはあるが、ウオーターボーディングでは
なかったと記憶している。
小説では「火刑法廷」が有名。
頑強に自白しないブランベリエ公爵夫人が、最後に屈したのがこのウォーターボーディング。
そのやり方は、CIA方式とは少し違うようです。
漏斗を口に突っ込んで水を流しこむというやり方のようで、あまりエレガントではない。



一般的に「傷が一切残らない」尋問方法はなにかと便利だということは、
警察小説にも度々登場します。
アメリカ政府は、身体を損傷しない以上は「拷問ではなく強度の尋問」であり、
ジュネーヴ条約(拷問の禁止)に違反しないとうそぶいているようです。
まあ、理屈と膏薬はどこにでもって思うのですが、この方法は別にアメリカンの専売特許でもない。










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