2015年10月10日土曜日

本当に大富豪は「誘拐」されたのか?




拐取罪というのが正しいが、正式呼称は「略取・誘拐」罪である。
拐取と誘拐との違いは正確に使い分ける方がいい。

目的物たるヒトザルを「自己あるいは第三者の支配下におく」ことは同じだが、
その方法が違う。
暴行・脅迫等の強制的手段を用いるのが「略取」であり、
偽計・誘惑などの困惑を助長するような間接手法を用いれば「誘拐」という。

どちらにしても「法定刑」は変わらない。
違いがあるとすれば「被害者の属性・犯罪の目的」の差に有り、身代金目的ってのが一番重い。
過去の悲惨な事件に鑑みての応報的意味合いである。
単に「営利目的」だけだと最高刑でも10年以下の懲役
これが身代金誘拐だと「無期懲役」に跳ね上がる。
犯罪に美醜があるわけではないが、やっぱり「弱い者いじめ的」な犯罪は薄汚い。

ところが・・・である。
一般的に加害者は暴力的に被害者に君臨支配するものであるが、
なかには、一筋縄でいかない被害者だっていないわけでもない。


柳川とし子(日本最大の山林地主で紀州柳川家の当主で当時の御年は不明の老女)

彼女の誘拐事件事件では、身代金はなんと・・・百億円

彼女の資産からすればこの程度の金額の身代金要求があってもおかしくはないが・・・
事件は複雑な展開を見せ、老女は無事救出されましたが、犯人は洋として行方しれず。
百億円の金員も行方不明・・・のまま迷宮入り

小説の世界ですので、当然ひねりの効いた「オチ」があります(笑)
うろ覚えですが・・・窃取あるいは強奪された金員は所得申告上損金計上できるはずですよねえ
柳川刀自の年収は多分相当なものでしょうから、損失の繰越なんかを繰り返せば
実損はでないかもしれません・・・あとは「大誘拐」って作品をお読みください。
文字を読むのがお嫌いならば「レインボーキッド」だっかねえ?
映画版も有ります。






しかし、世界は広い。
有名人そのものの誘拐事件自体稀である(多いのはその子弟)が、
なんと大富豪であるハイネケンのオーナー社長「フレディハイネケン」が運転手ともども「拐取」されたのは、
1983年11月の出来事。
要求された身代金は1000万ドル・・・だったかな?
貧相な誘拐事件ですなあ(笑)

友情は悲しみを軽減させ喜びを増幅されるというが、欲目の前には固い絆も脆いものである。
ビジネスの修羅場という血だけは流れない戦場での狡猾で老練な戦士には、
ガキ犯連を手玉に取るのはたやすいこと。

まあ、創作の世界ですので実相はわからない。
我々が事実として知っていることは

犯人は全員捕まり、10年の懲役に服した
大富豪は無事に「救出」された。
身代金は・・・全部ではないが行方不明のママ



天童真さんの「大誘拐」は、この事件を参考したとおもいきや
実は78年の作品。
けだし「実社会はフィクションの世界よりも奇々怪々」





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