2015年10月7日水曜日

コンゲームあるいはシロサギじゃなくて「クロサギ」




笑いも涙もいわゆる感動もありませんが、エスプリたっぷりなカタルシスだけは満載。
最高のエンタメは「詐欺テーマ」

ダマされることが好きな御仁はいないが、他人が騙されるのを見るのは悪くはない
これがコロシ・タタキ・ゴウカンと陰惨になれば目を背けたくなるが、
騙しってエレガントです。
だからといって、心神耗弱一歩前のご老人を詐惘に陥らすような行為は品性に欠く。
やはり、プロをだますのが一番である。

何が楽しいって、高みにいるえらそぶってる奴が騙されて地に落ちて這いつくばるその瞬間
映画的にも一番の醍醐味である。
ハリウッドはこの手のテーマが大の得意

スティング
オーシャンズ11(シナトラなんかが出演する古典版)
アメリカンハッスル

・・・まあ書き出すとキリがないが、最近ではこれ

FOCUS

二幕構成のようなしつらえであるが、幕間狂言部分が一番面白い。
主人公をリーダーとするスリ集団は、120万ドルを稼いでとんずら
その途中、スーパーボウルとおぼしいゲームプレーに、
カネだけはうなるほど有りげな東洋人紳士と倍々な賭金で見事に全額すってしまった。

次のプレーはランかパスかに百ドル
次のキックが決まるかどうかに千ドル  ・・・って感じ。

そして、起死回生のギャンブルにでるが・・・
オチは「全てが予めデザインされた博打ネタ詐欺ストーリー」だったってこと
最初はわざと負けて賭金を釣り上げって有りげな話ですが、このオチは実によく出来ている。
なかなか評判の良い映画ですが、この秀逸な狂言部分以外は、まあねえ(苦笑)



翻って、倭国の詐欺師映画
あまりというか全く気に入ったものがない。
いまさらM資金でもないだろうし・・・・それに現実の世界のほうが面白い。


東京地裁の判決(平成24年11月12日)。
控訴中らしいが、どっちが控訴したのか知りません。
原告は「東証1部上場企業の会長・社長を歴任した方」
被告は「大手証券会社」

平成18年に5000万円を拠出して「ノックインプット・エクイティリンク債」を購入したが、
3千万円強の損失がでたということで損害賠償請求。
理解不能な金融商品ですが、要は「仕組債」
説明困難な商品ですが「デリバティブを組み込んだ債券」だと思えばいいが、それでもよくわからない。
基本的にはハイリスク商品であって、投資の素人とも思えない連中が大損をこいている。
逆に儲かりましたって例は聞いたことがない(笑)

争点は2つあります。

通常は「説明責任の有無」が争われます。
詐欺師の口上にも近いのですがこれじゃつまらん。
が、今回もその線だった。
判決では、説明不足を咎められました。
しかし、かりにも上場企業の経営者だったものがリスク認識があまりにお粗末ってことで、
過失相殺となったようです。
大した金額でもないのですから、証券会社としては説明不足くらいならばさっさと手を打てばいいのですよ。
しかし、元経営者サイドは・・・多分に名誉が傷つきましたから、とことん争うのかな?

今一つは・・・
そもそも仕組債自体が金融商品というより賭博商品であったという主張
そうなれば、その時点で証券会社の負け
公序良俗違反商品の販売ということになりますから、
証券会社の皮を被った詐欺師だったってことになり、これはこれで大スキャンダル。
2010年の大阪地裁ではそのような趣旨の判決がでているのです。
一部に有名な「稲葉判決」
一億円くらいの賠償命令だった。
その後どうなったのかよく分かりません。
詐欺師と決めつけられれば、証券会社としては存亡に関わりますから徹底抗戦。
まだ係争中でしょうかねえ?(こっそりと和解なんかしてたりして・・・笑)







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