2015年10月13日火曜日

秋の永青文庫を訪問する


目白台当たりに行くには、

JR目白駅から歩く
メトロ江戸川橋から目白坂を上がっていく
早稲田あたりから、よりどりみどりのきつい坂を登る・・・


永青文庫は、椿山荘のお隣あたり、和敬塾(学生さんの下宿施設)と隣合わせにある。
肥後細川家の広大な下屋敷の跡地の一部に設置されている。
お武家としての歴史性や正統性にかけては屈指とも言える家格の高さ。

室町幕府の大番頭(管領職)
古今伝授をうけるほどの文化性の高さ
江戸政権下での六十万石近い石高
戦前政治の黒幕の一人
知事を経て総理大臣までも歴任(いまのご当主は陶芸家です)

その細川家保有の文化財の収納公開施設が永青文庫
普段は暇老人が稀に訪れる程度だと思われますが、今だけは貴賎都鄙の善男善女が押し寄せる。
展示品もさることながら、観客の目つき顔つきの鑑賞のほうが面白い。
ブルーフィルム時代からアダルトビデオ世代まで・・・
一人で見るなり、観客が少ないとそれこそ息を弾ませ、ため息をつき、口の中がカラカラにって
言いたいが、平日午前中だというのに芋の子洗い状態なので、すました顔をして鑑賞するしかないって
雰囲気もあります。


しかしながら「世界が認めた」展示品の展示公開を拒絶した美術館の一覧表なるものが
あれば見てみたいものだ。
担当キューレーターレベルではみなさんやりたがったらしいが、保守的で保身しか考えないような
トップ連中が世間の反響を慮ってか尻込みをしたらしい。
美は冒険でもある。
恐れていては何も出来ないし、そんな内容でもない。
美術館の館長と言っても、美的センスにかける御仁はあまたいるようです。

美術展ともなれば、大マスコミの後援なりが当たり前ですが、
かれらもスポンサーに手を挙げなかったようです。
情けない話です・・・



チャタレイ裁判で示された有名な「わいせつの三条件」

・通常人の羞恥心を害すること
・性欲の興奮、刺激を来すこと
・善良な性的道義観念に反すること

別に恥ずかしくもなく、むしろ「乾いたユーモア」を感じさせる
性的興奮には縁遠く、その辺の浮世絵展とさほど変わるものでもない
画像も端正、図柄も真っ当で、これが善良でないなら国語辞典からこの言葉が消えるわなあ


R18指定は、一定の節度というものだし、男湯と女湯に分けるような無粋な真似もせず、
ジジイと妙齢の女人が肩を並べて歌麿の肉筆画を見つめる・・・っていい風景です。


展示規模からすれば、いささか高めの入館料ですが、あの程度の観客が連日押し寄せてくれれば
採算性もなんとかなるのではなかろうかって・・・慶賀のいたり。



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