2017年4月30日日曜日
美女と野獣あるいは醜女と美男
またぞろの映画化。
レアセドゥの主演作やジャンコクトーの定番と優れたフランス版がふたつもあるのに、またぞろ・・・
ディズニーですから儲かる企画は何度でも。
しかし、エマワトソンが美女ですかねえ?
FBのプロフィールメイトに登場する予定はまったくありません(笑)
つらつら思うに、美女野獣の組み合わせは数限りなくても、
醜女美男の例は見当たらないのはこれ如何に?
仮説はさまざま
所詮オンナの人格は顔だけ、ってジェンダー論者だと怒り心頭だろうが、この作品に対してそう言う論は聞き及ばない。
組み合わせが被虐的でそそる、という解釈もあるが、これはオトコ目線。
ブスに美男を組み合わせれば、これはこれでマゾヒズム(笑)
原作はありげな異類婚姻譚で民間説話だと思ったが、啓蒙主義時代に女性の手になる小説
フランス文学史を飾るようなものでもなく、この理性の時代で重要なのは、マルキドサドだけ。
その意味で、ジャンコクトーの功績は大きい。
稀代の悲恋がハッピーエンドで終わるのは慶賀の至りであるが、
実はこの小説の結末は二種類ある。
この手のお話しは娘三人で、邪悪な姉二人に優女な末娘。
シンデレラもそうです。
リア王も似ています。
末娘が幸せになるだけではカタルシスを感じないのか、
意地悪な姉二人を迫害してやっとエンドマークなのです。
サドの時代にふさわしいサディズムの極致
しかし、映画版はそこまで死者に鞭打つようなまねはしません。
レアセドィ版のエンディングが一番好きです。
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