2017年11月1日水曜日

ロビンソンクルーソーと資本主義の精神





「ビール大全」なる新書片手の世界漫遊は、アマゾンのおかげで断念しそうだ。
折角読み出したのだから、麦酒製法の知識でも習得しよう。
元来化け学は不得手なのだが、得手な世界にばかり埋没していては成長はない。


17世紀のころ
ロビンソンは、三十年あまり孤島で自足自給の生活をおくったが、
それは採集経済的なものでなく、前産業革命化社会の萌芽が垣間見える処が
経済史的にも産業史的にも有意差がある。
お子様向きの読み物程度と見下してはいけない。
高名な経済学者が引用するくらいなのだ。
彼は不器用で怠惰で何一つ自分の力でものつくりのできないエゲレス人であったが、
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神を絵に描いたように....

まあ辛苦と努力の結果なんでも出来るようになるのですが、
麦酒つくりは成功しなかったというのがオチ(^^)



書物的には酒造りは味を無視すればさほど難しいものではないようだ。
麦酒の場合は...

水(当たり前ですが、ないと始まらない)
麦芽(発芽させた大麦を加熱乾燥させ幼根を除去したもの)
ホップ(除菌、苦味や味わいの元だが、なけれは香草系でもいいそうだ)
酵母(これがよく解らない。醗酵の元くらいな知識しかない)

ロビンソンの孤島では、ホップがなかったらしいし、蝸牛庵と同じで
酵母についてかいもく手探りだったみたいだ。
麦酒でなくとも果実酒なら、、例えばシードルなんかだと
手間隙かけなくとも出来ますが、やはりエゲレス人は麦酒にこだわったのか(^^)


半世紀ぶりに手をとった極色彩画入りのロビンソン漂流記
蝸牛庵が買って貰った少年少女世界文学全集の一冊はもはや行方不明。
これは老母がご幼少のみぎりに買い与えられたらしい稀覯本
なんと富山房刊行の大正14年版で定価三円八十銭なり。


しかし改めて読み返してみるに、一握りしかない麦を栽培し、土器を焼き、パンを作りという労苦は
何ページも続くのですが、ビールつくりの話は出てこない(ビール大全の著書の悪戯に引っかかったか)
当時のエゲレス人がことごとく酒好きだという偏見が勝手な妄想を作り上げたみたいだ(苦笑)
収穫量からすればビールにでもしないと需給バランスがおかしくなる。
パイプが作れなくて嘆くシーンがあるので、ロビンソンはスモーカーではあったがドランカーではなかった
せいぜいお薬代わりにラム酒をたしなむ程度。


面白く無いねえ(笑)
資本主義の精神とは禁欲にありか?・・・・
嫌だねえ・・・ゾンバルト先生の卓見を披露しておこう
ちょっと歴史の知見があれば、吉宗の緊縮財政よりも宗春(尾張藩主)の
享楽的需要喚起型経済政策のほうがファンタスティックだと思うに違いない。


資本主義の胎生は非合法恋愛の合法的な子供である「贅沢」による。








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