2018年2月9日金曜日

クラシック音楽だって世界遺産



正確には「無形文化遺産」と言います。
いわゆる世界遺産は有形物が対象ですので似て非なる遺産。
面倒な定義は....

慣習、描写、表現、知識及び技術並びにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間であって、
社会、集団及び場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるもの。


一覧表を眺めれば「絶滅危惧文化」のオンパレードにしか見えません。
先人達が作り上げてきた文化を墨守継承する事に意義があり、
新しい価値の付加は二義的。
新作文楽なんて聞いた事がないし、新作能も稀(復曲能の方が魅力的)
歌舞伎はまだ新作が盛んですが、クラシックのレベルになるのかどうかは分かりません。
一般的には、微妙に新しい解釈を持ち込んではいるようですが、
レベル全体が新しいランドスケープをもたらす迄には至らない(と浅学菲才ながら...)

この論を敷衍すれば、クラシック音楽も然り。
ただ、文化遺産とは申請が前提ですから、申請がないものは登録されない。
それに、申請は国家が行うものであり、
イタリアが一番申請国に相応しいと思うが、間髪いれずドイツが反対する(^^)
ウィンナワルツのように対象を限定すれば可能だが、
登録して何が嬉しいのかねえ?
お墨付きの有無で知名度や人気に影響するようなものでもない。

そもそも現代音楽の何が楽しい。
要は、無調と不協和音の塊で上から目線なスノブな思い上がり。
演奏会だと、観客は退屈、著作権料は発生。
ロクなことはない。
新しい「何か」があるのかないのか全く分からない。


がしかし...である。
60年代に出来たモダンオペラがかくも奇天烈におもしろいのか!
お母さんと一緒学派のオペラしか上演しない後進国では、
生の鑑賞は最初から諦めています。



原作がブニュエルって凄く有りませんか。
不条理映画の最高峰
作曲家は、英国の若き鬼才(だそうです)
歴史的にイギリスはクラシック音楽の世界では貧相ですが、
商業音楽では世界を席巻し続けています。
本来ならそんな区分は無意味なんですので、
融合(これも変な言い方)して新しい音楽文化を創り出す何かが
あるのでしょう。


オペラの邦題は「皆殺しの天使」
オリジナルへのリスペクトだと思います。

ブルジョアジー達がオペラがはねたあと、なんだか豪邸に監禁状態。
飢餓の中で一人また一人と肉体的精神的に崩壊し、カタストロフを迎える。
オリジナルの結末よりは救いがありそうな気がします。

評論家激賞みたいですが、METの観客の反応はそこまででもなかったような。
延々と続く超高音のソプラノが不協音。
薄汚いさま(監禁状態だから当たり前なんですが)で虚ろな目つきで
舞台上をさまよかれると...




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