2018年3月11日日曜日

西郷どん





司馬遼太郎が「坂の上の雲」を産経新聞に連載したのが、
1968-1972
そして「翔ぶが如く」が、毎日新聞に1972-1976の間連載。
ざっと十年近くを明治という時代の気分を描くことに費やしたことになる。

不思議なんですが、後者の評価はあまり高くない。
西郷どんに対する立ち位置が冷静だからでしょうか?
相対する大久保は冷血だし...
全人格的に圧倒され包容されるキャラクターだったらしく、
西郷に冷淡な明治の偉人と言えば、木戸と大隈くらいなものらしい。


国営放送の大河ドラマは長らく見てませんし、観る予定もないありません。
テレビチックなホームドラマ仕立に興味はない。
初めて知ったが、翔ぶが如くも大河ドラマになっていたらしい。
原作は明治六年の征韓論から西南戦争までの明治を描くのですが、
テレビ版では、半年をその前史に当てるという暴挙。
大河ドラマは一代記であるべきとは凡庸なテレビマンの考えそうなことだ。
なもんで、後輩の原作の手になる今年の大河ドラマも全く興味がない。


今の時代の地政学や国際関係論に照らし、明治の頃の日本国のふるまいの
評判は宜しくない。
こと更に悪しく貶めたい向きもあり、真っ当な価値判断が
出来ないらしい。
歴史評価の大原則は「現在の基準で過去を断罪しない」に尽きるが
こんな当たり前のことも知らない向きが多い。


明治150年協賛の数少ない企画なんだから、国営放送としては
物議をかます覚悟で、反日が大嫌いな司馬史観を正面切って
取り上げればいいのですが.....
多少の風よけには、江藤新平を加えれば良い。
それぞれの国家観のバトルロイヤル

極東の果ての小さな島国が、如何なる国のかたちをつくるべきと
苦悩し試行錯誤を繰り返たしたかを語る事こそ
協賛企画に相応しい。

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