2019年6月11日火曜日

海辺のプルースト


最新情報では、オープニングは2020年二月になったらしい。
おきまりのメンバーは再登板しますが、
なんとレアセドゥも「マドレーヌスワン」として連投。
ならば、プロフェルドのクリストフヴァルツも...なんですが、
それはないらしい。
その代わりに、ボヘミアンなんとかの主演役者が初見参。
この時点で興味は半減。
JBと彼との関係は、ホームズとモリアーティ教授のようなもの
つまりコインの裏表
何故ボンドガールに斯様な役名を付けたかの疑問に
応えてくれる事をある程度期待したが、どうも無理みたい。


多少なりとも、知識があれば、プルーストの「失われた時を求めて」からの
インスパイアだと容易に気がつくが、
それがボンド映画である関連性がはっきりしない。
が、ダニエルクレイグ版には一貫した重奏低音めいたものがある。
プルーストの畢生の大作には様々なテーマが盛り込まれているが
主たる主題は

記憶と時間....だと言われる。

このシリーズはある種JBの成長と自分探しの物語であるし、
紅茶に浸したマドレーヌの味わいから無意識のうちに
スワン氏の愛人であったオデットを想起する。
なんとも長ったらしい一人称の文章の最後では

文学作品のすべての素材は私の過ぎ去った生涯であるという認識とともに、
自分の人生において経験した瞬間瞬間の印象を文学作品のうえに再構成し、
音楽に匹敵する文学を書く決意を固めていく...

って事で物語はおわるのですが...
実は始まりの始まり
というような壮大なサーガの集大成を...期待したのだが
大衆娯楽に期待するのはやっぱり間違いだ。

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