2019年6月4日火曜日

Fラン底辺校で.....エリート教師はミタ!


邦題は「十二ヶ月の未来図」
一年間の約束で、アカデミックなエリート家系のアンリ四世校の
国語教師が、パリ郊外の移民地区の底辺校に赴任してくる。
このリセは開成や麻布クラス以上のエリート校
エリート校の教師もまたエリート。
かつては、ストロース、ベルグソンやサルトル(?)なんかも教鞭をとっていた。

落ちこぼれを理由をつけて退学させるのはわけないが、
それは教育のある側面である治安対策の失敗でもある。
どうしようもないレベルを相手に試行錯誤を繰り返し、
実に面白いが、灘の橋本先生と同じ手法を採用した。
一冊の本を徹底的に読み込ませる。

一切れのパンを盗んだだけで19年牢屋にぶち込まれた男
養い親に虐待される幼い少女
金を工面する為、髪や歯まで売る女
バリケードで虐殺される少年

...こんな悲惨な話しに興味はないかい?
ベテランエリート教師の巧みな口車にアタマは悪いが純朴な生徒達は
コロリと騙されて...学ぶという楽しい世界にいつしか


理想的な結末で一年間の学期は終わりました。
結果を出したエリート教師は元のエリート校に戻り
グランゼコールを目指す秀才達をサディスティックな迄に
鍛えあげるのでしょう。
この底辺校のレベルが段々に上がっていくかどうかは
解らない。
エリート教師の尽力で退学を免れた生徒は...

元の学校に帰るんだろう
言いたくないが、、寂しくなるなぁ
先生の高校に俺でも頑張れば入れるかなあ


学園ドラマの定番みたいなお話で
目新しさはない。
フランスが抱える諸問題の縮図みたいなおはなし。
エリート支配の弊害でのたうちまわる国ですから、
底辺に光りを当てるのもいいが、
エリートの闇の方が素材的には面白い。

マクロンも最終的にはこのエリート校の卒業生ですが、
国語教師との不倫を発端に、仲を引き裂くために
パリのアンリ四世校に追いやられたのですよ。
色恋にうつつを抜かしていたためかエコールノルマルは
二度失敗。
止む無く二流大学に入学し、その後エナに入ったそうです。

0 件のコメント:

コメントを投稿