2019年6月19日水曜日

悍ましい「寒い国」理論...カルテ64





美しい自然
碧眼金髪の美男美女(ばかりでもないが)
民度の高い民主主義
高度福祉国家(反面高税率な間接税)

誰しもうらやむノルディックですが、
必ずしも地上の楽土でもない。
根づよいノルディックミステリーファンはどこに憑かれるのか?
誰もが持っている心の陰の部分が、楽土の闇を見たがる。

特捜部Q

デンマーク産のミステリーですが、全作品ハヤカワから邦訳が出てます。
そして四作まで映画化され...なんともだんだん良くなる法華の太鼓
アルファベットの意味は知りませんが、コールドケースを
扱う特殊組織
華やかでもなく、刑事部のはみ出し者、アラブ移民の司法職員
そして、扱いにくそうだが腕の良い秘書だけがメンバー。


自殺と処理された美人議員は拉致監禁されていた
セレブの寄宿学校生徒達の悪行が四半世紀を経て明るみに

第一作は一家皆殺しになった生き残りが、加害者に報復する話で
別に後年の美人議員が運転していたわけでもなく
有り体に言えば...逆恨み犯罪
ノルディック固有らしさではない。

第二作は社会的に影響力のある有力者の過去を断罪する
社会派傾向が強まります。
そして第三作...
デンマークは福音ルーテル派が国教だそうです。
宗教の頚城って重いのですが、あえて背を向けると...
悪魔との黙約
犯人は、信仰心の厚い者たちを狙い惨殺し、
神の救済の無力化を思い知らせながら死に至らしめることを
使命とする...アタシ的にはイかれてます。

最後に第四作目
原作はまだ読んでませんが、かなり読む気満々


風土気候が民族資質の形成に大きな影響を与える学説に反論はしない
しかしその獲得形質に優劣論を持ち込むことにはオブジェクション!
差異と優劣を混ぜご飯にしてはならない。
寒い国は民の克己心を高めて民度を素晴らしくする
言わば優等民族である。
翻って...あとは言わずもがな
移民受け入れに寛容な国家はノルディック
当然ながら悍ましい少数意見の信奉者もおり、えてしてセレブ階級
産婦人科の顔をしながら、劣等民の患者が来れば
勝手に不妊断種手術をやってしまう鬼畜集団。

綺麗な顔して人さまを責めることなんて出来ないのですよ。
知る限り優生思想信奉者は、寒い国に多い。
地上の楽土の舞台裏...ここに極まれり。

この映画はデンマーク史上最高の興収だったらしいが
じつによくわかる。

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