2019年7月6日土曜日

一死大罪を謝す...のは、GMかHCか



スポーツの世界では、会議室に陣取るGMが現場のHCより
エライに決まっている。
帷幄に謀を巡らす...とは最高の褒め言葉だ。
その論で言えば
軍の編成は、軍隊の作戦や用兵の上位にあるべきだが、
ここで登場するのが、統帥権
伊藤博文以下の明治憲法立案者が何をどう考えたのはもういい。
天皇大権であることから肥大暴走し、国を潰した。
名目上は陸軍大臣と参謀総長は同格とはいえ、
内閣の一員と天皇直属の補弼の臣下では貫目が違う。
人事ローテーションからも、陸軍大臣を経て参謀総長になったらしい。

実質的に最後の陸軍大臣は阿南惟幾
揶揄して言えば、鷹が鷹を産んでます。
御子息は、呉服橋の会社の副社長や中国大使。

平時でも有事でも陸軍大臣なんてそう目立つものではないが、
あの暑い日本のいちばん長い一日は大変だった。
なんせ現役で自裁した唯一の国務大臣。

あの「日本のいちばん長い日」は二度映画化されている。

最初は三船敏郎
リメイクは役所広司

役者が人物の実像を表すのが、実像から配役を決めたのかは知らないが、
角田房子さんの評伝もあり、今や三船タイプの武断型軍人ではなく
温和な和平派軍人と評価されているようだ。
実のところはよく分からないが、和平派の鈴木内閣を倒壊に追い込むには
彼が辞表を書けば済む話。
軍務大臣現役武官制とはかくも恐ろしいシステムである。
阿南がその切り札を切らなかった僥倖が倭国を救った。

軍歴を見る限り大した軍人ではない。
能力も自己顕示欲もない凡人だが、倭の組織にはこれが良い。
東條のような能力も自己顕示欲もある奴が上に立つとロクなことがない。
下に無能な自己顕示欲の塊...冨永や牟多口のような連中が跋扈する。


本当は有能で自己顕示欲のないのが表に出るのが一番だが、
大抵は、穢土を嫌い寒村陋屋で晴観雨読の日々を
送っている(^.^)



映画的にはオリジナルの方が良い。
リメイクで、キラリと光るのはクーデターを企てる
狂気の畑中少佐(松坂桃李)だけ。
オリジナルでは、黒沢年雄が演じたがやたらと騒ぐだけだった。

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