2020年7月29日水曜日

Inferno....聖職者地獄変



紛らわしいタイトル
フランス映画なんだから、英語のタイトルは普通はないわなあ
フランス語のオリジナルタイトルを英訳し、
それを仮名書き、さらに分かり易くサブタイトル「告発の時」


オスカー作品賞に輝く「スポートライト」は、
今世紀はじめ頃のボストングローブ紙の調査報道のおはなし。
素晴らしいメディアだと思うし、
こんな地味なテーマを映像化し、オスカーの栄誉を与えたハリウッドも立派
しかしよく考えれば、アメリカンってピューリタンの国だし、
実は「本当に言いたい事」は、エンドクレジットの
テロップに隠されている。

長年にわたり聖職者の性虐待を放任し、
事実の隠蔽を画策した枢機卿は解任...実はローマ法王庁にご栄転

なんだか聞いたようなはなしなんですが、
そんなことに義憤を感じたに違いない...フランソワ・オゾン
ローマンカトリックの長女たる国で製作されたことに意義がある。


当たり前の映画批評はつまらない。
極私的プロ映画鑑賞家の目線だと...

それがどうした?
幼児性虐待なんかたいした罪じゃないのよ

って法王庁は思っているに違いない。


ローマンカトリックの基本的な教義なのかどうかは知らないが
ダンテの神曲地獄篇によれば...

地獄の世界は、漏斗状の大穴をなして地球の中心にまで達し、
最上部の第一圏から最下部の第九圏までの九つの圏から構成される。
三つの邪悪、「放縦」「悪意」「獣性」を基本として、
更に細分化され、「邪淫」「貪欲」「暴力」「欺瞞」などの罪に応じて、
亡者が各圏に振り分けられている。
地獄の階層を下に行くに従って罪は重くなり...

とまあウィキは講釈しています。
第一圏は「洗礼を受けなかった罪」を犯したもの
品行方正でもアタシが行かされるところ。
つまり微罪に過ぎない。
以下...

第二圏 愛欲者の地獄 - 肉欲に溺れた者
第三圏 貪食者の地獄 - 大食の罪を犯した者
第四圏 貪欲者の地獄 - 吝嗇と浪費の悪徳を積んだ者
第五圏 憤怒者の地獄 - 怒りに我を忘れた者

ここまでは軽犯罪でこれからが重犯罪で段々に罪は重くなり、
最下層は「裏切り者」

あの教義や組織には自浄力は期待し難い...と映画を観た人は思うし
論拠はここにある。
アタシは在家私度僧ですから、毎朝の読経

弟子無甲尽未来際
不殺生 不偸盗 不邪婬
不妄語 不綺語 不悪口 不両舌...

とかなんとか
生涯やってはならない三番目が「邪婬」
準強制性交等の罪は大罪です!


予想される反論...七つの大罪には「色欲の罪」があるではないか?
想定の範囲だから更に再反論、昨今の法王庁が掲げる新しい七つの大罪

遺伝子改造
人体実験
環境汚染
社会的不公正
貧困
過度な裕福さ
麻薬中毒

ずるいですよね、己をグリーンゾーンに置くように出来ている。

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