2015年2月10日火曜日

r>g


シェイクスピアを愛読する医者の手で死にたい・・・



医者の手で死にたくもないが、そういう医者ならあきらめもつくという比喩である。
経済学者だってある程度「文学者・哲人・歴史家」であるべきだとは・・・ケインズの言葉らしい。
なんとなく平仄が合う。
トマピケティの「21世紀の資本」が売れるってそうことも要素なのだ。
難解な数式はまったくなく、19世紀を代表する文学書の引用とか・・・
スリリングな史書を読んでいるような気分にさせる。
 
さて・・・
資本主義を死においやりかねない「格差社会の台頭」もあってだろうか、
OECDや更にオバマまで「トリクルダウン理論の破綻あるいは脱却」を言い出した。
つまり・・・
お金持ちが潤うとその恩恵は貧乏人も及ぶって理屈ですが、
実際には格差は広がるばかりである。
確かに、上位1%が世界の富の半分近くを占有し・・・と言われれば、
正常とは思いがたいが、実数で言えばたかだか80万ドル程度の資産保有者
問題の本質は上位1%のなかの「格差」にある。
 

資本主義(自由主義経済)とは、成長のフロンティアがあってこそだと思えば
次なる「新々・新興国・・・アフリカ諸国」が成長してしまえば、
地球上では発展余力はなくなる。
その前に環境容量的にこの地球が持たない。
ピケティがいうように偶発的な事象(二回の大きな戦争とか大恐慌)で「リセット」すること
しか策はないのかもしれません。
そういう意味で言えば「不可解な神の摂理」と諦めるほうが良い。


彼の主張する「没収税制」が最善の解決策だとも思えない。
そもそも、世界共通の税制なんて世界政府をつくる以上に困難を極める。
資本収益率が恒等的に成長率を上回るというものの、処方箋は難しい。
健全なる中産階級の形成が戦後税制の背骨であったとは某氏の発言。
その健全な中産階級の没落を招きかねないような制度改正自体が「くにのかたち」を揺るがす。
天文学的な経営者報酬を胡散臭いとおもう健全な金銭感覚が残っているうちに
倭国としては「成長率」をあげるほうが方策としては理にかなっている。
ピケティによれば・・・、


成長率=人口増加率×生産性向上度・・・つまり「少子化対策×岩盤規制改革」


課題設定なり解決の方向性には間違いはないが、総論に反対はなかろうが、
個別具体論がねえ・・・
実現の強固な意思に全てがかかりますよ。


0 件のコメント:

コメントを投稿