2015年2月17日火曜日

不真面目にインセントタブーを論じる

もう半世紀前のこと。
友人の先輩達と称する連中との宴会に、洛中百万遍あたりを訪れた。


人生の苦悩を一手に背負ったような文学士
宇宙の成り立ちを解明しかねない物理学修士


とかなんとか畏怖の念なくしては・・・って思ったのもつかのま(笑)
ただの飲んだくれだった。
宴もたけなわになると、始まったのがこの「宴歌」の大合唱

ここは山科 京都の外れ
京都名物 キョウダイシンジュウ ♩♩

キョウダイ・・・って言えば

京大
兄弟
兄妹

姉弟・・・は、キョウダイとは言わない。
どうも、京大と兄妹を掛けた禁断の恋物語らしい。
最後はシンジュウですので、予定調和的な結末です。
まあ「春歌・猥歌」の類いですが、そもそも的にカラッとしたもの。


暫らく忘れていたところに、山崎ハコのレコードで見つけたのが、この

兄妹心中

https://youtube.com/watch?v=YAFJsd0wobU

オリジナルとは、かくも陰惨なものなのか!
三面記事的には・・・

痴情のもつれ
三角関係の清算

と言うんでしょうが、この手の展開は、平安古典のエピソードにもある
正統的な物語展開。
正確に言えば・・・文覚上人出家譚。
ほんまとも思えないが、まあ文学的にはそういうこと。


インセントタブーについては、レヴィストロースの学説に詳しいが、そんなことを思い浮かべながらも、
ちょっと驚愕したのは・・・・

枯木灘・・・中上健次の大傑作を読んでいた際に
部落の盆踊りでは、この「兄妹心中」が、踊り歌として登場する。
物語のモチーフとして引用したに過ぎないのか、実体験なのか・・・は判然としない。

ほぼ全曲の歌詞を書き連ねているところに、作者の怨念が垣間見える。
オリジナルは、宴歌ではなく、艶歌でもなく、怨歌。
ここから民草のルサンチマンの爆発を読み取ることはむつかしくはない。




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