2015年2月23日月曜日

まさか本当に変えるとは思わなかったねえ(笑)

まさか本当に変えるとは思わなかったなあ・・・(その1)


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民法第404条の規律を次のように改めるものとする。

利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときはその利率は当該利息が生じた最初の時点における法定利率による。
法定利率は、3%とする。
法定利率は、3年ごとに、3年を一期として・・・変更される。

中略

商法第514条を削除するものとする。
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百年に一度の「大改正」ともなれば、懐かしい「民事法定利率とか商事法定利率」という言葉を
死語にしてしまった。
特段の当事者合意等がなければ、民事は5%、商事(商取引)ならば6%って利率が
3%に統一され、なかんずく三年ごとに見直されることとなる・・・らしい。
いつからかは分かりませんが、細かい端数はつかず、2%とか4%になったりする。


どうして「5%」という法定利率を明治の賢人たちが決めたのかは知りません。
しかし、トマピケティ先生の「r(資本収益率)=5%」という仮定・・・
正確に言えば、19世紀の資産家の資産平均利回りがその程度であるということは、
西洋的常識であったことに起因し、その知見がお雇い外人からもたらされたと思われます。
江戸時代の高利貸しは更に高利で運用していたようですので、その辺との折り合いが
商事法定利率(6%)という制度設計になったと勝手に想像します。


しかし、彼の「r>g」の煩雑な説明によれば、
r=5%という仮説は、21世紀でも通用する経験則的公理らしい。
そういう文脈の中で、民事商事の統合も含めて、法定利率改正の意義はあるのでしょうか?
改定ルールの詳細は省令で決まるのでしょうが、委細は不明。
日銀の貸出金利リンクって案があったようですが、多分市中実勢金利なんかをベースにするのでしょうが
法定利率の利率を「貸金の金利水準リンク」だけで決めていいのかって言われれば疑念もある。

そもそも、金利の定めのない金銭消費貸借って稀であり、
事実上の適用事例は「法律の規定により利息が生じる債権」に限定される。
例えば・・・

金銭債権の債務不履行による遅延損害金
不当利得の悪意の受益者の利息返還義務   等々



返済すべき債務を長々と払い渋り、長期の裁判でやっと勝利し、その間の6%の遅延損害金金利なんか
もせしめると・・・企業法務戦士は代理人と夜を徹して祝杯をあげたものですが、
その喜びが半減する。
債務を早期に回収しておれば、それが次のビジネス原資となり、それこそ「r=6%」の
収益を生んだはずなのですよ。
それが半減してしまうって・・・・釈然としませんよね。


まあ、契約書に想定される「利息の生じる債権」全てについて、約定金利を明記するしか
対応策はないか(苦笑)
















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