2015年5月11日月曜日

静止画を動画で肉薄する




要するに、画家を主題とする映画ということ。
義務教育の「美術の授業」に登場する西洋の画家はそれなりに映画のセンターをやる。
その映画自体もそう悪くない。
映像作家にそれなりの素養があるということだろう。

画業の厚みが違うと言ってしまえばそれまで。
幸いにして、経済の下部構造の変化がパトロンの主役の交代を生んだが、
うまくそれに対応した。

翻って倭国の絵画事情。
残念なことに、グローバルに通用する絵画世界は浮世絵だけ。
従って、映画の主役も・・・

写楽
北斎

あとは、土佐の絵金の映画がありました・・・

雪舟
探幽
光琳
崋山
等伯

まったく映像になりません。
そもそも、芸術家を素材にすることが稀なのです。
そりゃ、西洋のブルジョアジィーは、無意識のうちにセザンヌやルノアールの絵に
かこまれ、弦楽四重奏を当たり前のようの奏で、おばさんの遺産がころがりこんだから、映画でも撮ろうか・・・・
これって、ルイマルが代表的にそうだった。



長年、その画家に傾倒し、思いの丈を映像に込めた畢生の名作・・・と
いうわりに多くの場合は貧相。
プロ映画鑑賞家のプライドがなければ、確率的に時間とお金の無駄使い(笑)

百日紅

杉浦日向子さんの漫画のアニメ化。
ヒロインは、北斎の娘、葛飾応為ことお栄。
ブスの割りにか、なればこそかは知らないが、美人画と春画に巧みであったらしく、その分野の多くの北斎作は応為の代作と言われる。
さておき、映画の出来は・・・
まあ、北斎の陰画なればこそ、センターを張れるのであって、肝心の北斎の
描き方が粗末なので、なんともいいようがない。

ろくな才能もないくせに原作を粗末にするんじゃない!
草葉の陰で日向子さんが泣いているに違いない。
漫画を実写映画にするのはともかくとして、アニメ化は、結構冒険だと
思ってます。



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