2019年12月15日日曜日

「市民」閑居シテ不善ヲナス(あとがき)



ついでながらの駄文を書いてみる。
大師なる称号がある。
高徳の僧侶に勅賜される尊称であり、僧職最高の栄誉。

一般には「お大師さま」と言えば、弘法大師空海に決まっている。
しかし、勅賜された大師号の数は...面倒だから数えてませんが、
思想史に名をとどめる有名人はまず勅賜されている。
最澄はもとより、法然、親鸞、道元...
日蓮も、大正の御代に勅賜されているにはビックリ。
勅賜された事ではなく、その時期!
戦前は政財官に暗躍する怪物には法華経信者が多かったの。


空海が大師の大代表だと考えられる理由は様々
学僧として学識の高さに加えて、社会事業家としての
公共事業の数々は、いまなお我々が恩恵を被っている。
がしかし...
空海の本領は「政僧」にあった。
主上を始め権門にとりいる人誑しの才覚
単に太鼓持ちではなくて

ネイティブ真っ青な語学力
稀代のアカデミックな知識
有数の能書家

とかなんとか有り余る才能に皆さん惚れたのです。
だから、土地公有が建前のあの頃に、国有財産の払下げにとどまらず
大伽藍まで半公共事業として建設させた。
それも、洛南の地に東寺(教王護国寺)
遥かな天空の宗教都市に金剛峯寺等....


だっからですよ!
空海入定の後、政治力ある僧侶が現れず
大師号の勅賜は、醍醐帝の御代までお預けでした。


大師号制度は敗戦と共に廃止された...と勝手に思ってましたが
さにあらず。
黄檗宗隠元に大師号が与えられたのは、昭和四十年代
平成になっても、法然に再度勅賜されてます。
宮内庁から伝達されたのですから、国事行為だと思います。


以下妄言...
信濃町あたりに法華経系の宗教団体があるそうです。
誑しこもうと思えば、開祖に大師号を与えればいい(^.^)
究極の主上の政治利用ですが、田布施のヒトザルは
尊皇意識なんか有りませんから、それくらいヘッチャラかも
しかし....ある種の「踏み絵」かも

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