2022年5月4日水曜日

冤罪

 法律用語でも学術用語でもない「マスコミ」用語だと、、、思います。

無実の罪とか濡れ衣を意味するが「冤罪」というといささか禍々しい。



稀代のリーガルサスペンスの旗手の数少ないドキュメンタリーです。

オクラホマの片田舎で強姦殺人が発生し、若い二人を被告とする裁判、判決、過酷な獄中、そして再審。濡れ衣は晴れるのだが、ふたりは幸せに余生を過ごし、、、たどうかなんだが


濡れ衣が晴れても後ろ指を指されてきた長い時間は帰って来ないし真犯人が不明のうちはまだまだ灰色状態だ。「正義が実現する」と信じてきた被害者遺族は突然の蜃気楼に呆然となり、捜査関係者は時効廃止要件に該当する犯罪(人を死なせ死刑に相当し平成22年時点で時効が未到来)ならば、コールドケースとして再捜査しなければならない(が、、、モチベーションがなあ)



さて「冤罪」とはなんじゃいな?

マトモな用語ならちゃんとした概念規定があるはずだが、この用語は漠としている。


起訴されて一審で無罪判決

控訴審以降で逆転無罪判決

再審で確定判決が覆り無罪


論理的に考えれば三番目が辛うじて冤罪に相当する。

それ以外は確定判決が出るまでは推定無罪原則からして冤罪というのはおかしいだろう。刑事事件の一審有罪率99%に惑わされており内心では起訴されれば「推定有罪」だと思っているから、一番目ですら、冤罪を晴らした!なんて妄言が紙面を賑わす。


別の見方もある。

違法捜査により起訴された事案が無罪となった場合も冤罪というべきだろう。

何が「違法」かは難しい。

憲法に明示されているような内容は分かり易い。西部署の大門軍団が当たり前のように行う取調室での暴力的取り調べは、たとえ真実を自白したとしても証拠にはならない。


しかし、ミランダ警告と同様にブレイディ法理も仮に遵守されなくても違法捜査には相当しないのが倭国の現状。

ミランダ警告はアメリカンムービーによく出てくる、、、オマエには黙秘権がある云々。

コリアン映画でもそのシーンを見た事があるが、邦画で捜査官が口にするのを観た記憶がない(検事の取り調べや裁判官の発言は別)


しかしブレイディ法理は、、、?

検察は被告に有利な証拠を隠蔽してはならないという全面証拠開示原則なんだが、倭国はそこまでのレベルではなく過去の冤罪事件ではよく問題になっているのだが、このあたりの進化があんまり見られない、、からまだまだかような悲劇は続くのだろう。

冤罪が起こりうるから死刑制度に反対、、、にはくみしない。起きる可能性を潰すのが先決

この制度があれは、疑わしい起訴は激減すると信じてやまない。

アメリカンの法制度の光の部分(無論闇もある)




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